【読む】ピエール・ロチの日本印象記

 訳者の市川裕見子さんからロチの『日本秋景』(中央公論、2300円)を贈られたのでおススメします。ピンとこない人のために言えば、龍之介の「舞踏会」に名前が出てくるフランス海軍士官で文筆家だネ。「お菊さん」という小説も書いてるヨ。

 今度新しく市川さんが訳出したので、一段と読みやすくなっている。市川さんといえば宇都宮大学では同僚だったのだけど、種々の伝記を書いているトロワイヤの『フローベル伝』(水声社)の翻訳も頂戴したこともあり、フランス文学について無知なボクにはとても役だったものだネ。

 ちなみに市川さんは比較文学の立場からの龍之介の研究者でもあるから、覚えておくといいヨ。