【見る】谷崎潤一郎「痴人の愛」  島田雅彦

 「100分 de 名著」はいつも皆さんの念頭にあるだろうけど、今回は日本近代文学の作品なので情報を徹底させておきたい。谷崎は個人的には好きとは言えない作家ながら、「細雪」の蛍の場面など圧倒される文章だネ。もちろん最晩年の傑作「瘋癲老人日記」もスゴイと思うけど。故・越智治雄先生が「瘋癲老人日記」はイイね、と嬉しそうに語ってくれた表情も忘れられない。その越智先生が「ドナルド・キーンの谷崎論は、マゾヒズムなどの当たり前のことしか書いてない」と言われた時も、キーンはダメだと思っていたやさきだったので嬉しかったネ。

 解説はご存知・島田雅彦だから期待できるネ。キーンと同じレベルで止まるはずもない切れ者だから、面白いだろネ。