【イチロー昔話】暴れる君だったイチロー少年  ミミズとチンコ

① 歯医者

 子供の頃から歯磨きは寝る前に1日1回と決まっていて、それも好きではなかった。学大の教員になってから、学生や非常勤先の立教の教員が昼間に歯磨きをしているのを見るたび、違和感を持っていた。ホントは毎食後磨くのがフツーだったのか、少なくとも歯のためなのだろネ。後で考えれば、ボクの見ていない所で(トイレ?)歯磨きをしている人も少なくなかったのかもしれない。

 在職中から学生から歯磨きは1日2度はやるべきだと言われたこともあったと思うけれど、そんな余裕もなかったくらい時間に追われる日々だったネ。退職してからは毎日2度磨くようになり、それだけ虫歯になる可能性も減ったと思う。しかしこの数日は、寝る前の歯磨きの代わりに翌日1度目のオヤツ(午前10~11時ころ)の後に磨き、あとの1回は2度目の食事の後に磨いていたら、一昨日の夜から以前虫歯の治療を受けた上の奥歯がメチャクチャ痛み始めた。

 幸い今日治療を受けることができたけど(国立の服部歯科医院は信頼できる)、数分間削り続けられて冷や汗が出るほどだった。歯痛は身体の中で2番目に痛いというけれど、事実は急所より歯痛の方が厳しいと思う。冷や汗をかきながら、子供の頃に歯科で治療を受けている最中に、痛みと恐怖で歯医者を蹴とばしたことをありありと思い出した。10才に満たないころだったと思うけど、医者と母が困惑した表情をしていたのもハッキリ覚えている。お笑いの「あばれる君」は統合失調症(?)に抗してタレントを続けていると聞いて感心しているけど、イチロー少年は単に肉体的な暴れん坊だったのだネ。

 

② 入れ歯

 両親は入れ歯をしていたけれど、ボクはしていないし差し歯もない。一昨年の呑み会で、学生時代の仲間が「自分の歯は3~4本しか無いヨ」と言ったので驚いたけど、入れ歯というと心が痛む記憶がある。まだ学校へ行く前だったと思うけど、祖母を中心に近所の小母さんたちがお茶を飲んでいた横で、ボクはバットを振り回していた(下ネタではない、まだバットを詐称するまでもなかった)。

 再三小母さんたちに危ないから止めるように言われたのに、ブンブン振り回していた光景が目に浮かぶ。間もなくバットに手応えを感じたのは、祖母の口にバットが当ったからだった。祖母が口を手でふさいだのは覚えているけれど、その後のことは記憶から消えている。自他ともに許す「バアちゃん子」だったのに、その祖母の丈夫な歯を打ち砕いて入れ歯をさせることになってしまった罪悪感は、子供ながらしばらく引きずっていた。成長するとともに記憶が薄らいでいったけれど、罪意識は時おり蘇(よみが)えって「バアちゃん、ゴメン!」と生前も没後も心の中で謝っているヨ。

 

③ ミミズに小便かけると・・・

 先日、テレビである母親が「子供がミミズにおしっこをかけたら、おチンチンがふくらんだ」とか何とか言っていたのを聞きとめて、けっこう笑えたヨ。身に覚えがあったからで、これは4~5才の頃だったかナ、大きなミミズにションベンをかけた結果、大声で泣いている光景が浮かぶ。痛痒(いたかゆ)くて耐えられなくて泣くしかなかったのだネ。信じられない人は、自分で実験してみるとイイ。必ずチンコが赤くふくれて痛痒くて我慢しがたいのが分かるだろう(女子の場合は不明なので、実験したら報告してもらいたい)。

 今から思えば、生物には電流が走っているから(電荷があると言うのかな?)、小便(水)を通ってチンコを刺激するから痛いような痒いような感覚をもたらすのだろネ。他の子供からそんな体験を聞いたことないから、イチロー少年は好奇心に駆られると何でも試みてしまう子だったのだろネ。

 我が息子(チンコじゃなくて子供)も似たような傾向を受け継いでいるようで、宇都宮大学教員の頃に同僚とその子供たちと海へ出かけた際に、(後で猛毒のカツオノエボシというクラゲだと判明した)たくさんの生物だかゴミだかを息子がつかんで投げていたのだネ。他の子供たちは触ることもなかったようで、しばらくすると息子だけが痛みを訴えて大騒ぎし始めたので驚いたヨ。5才くらいの時だったと思うけど、「死ぬ~!」と大声で叫びながら道路上で手足をバタつかせていた光景が大げさすぎて、我が子ながら笑いが止まらなかったネ。

 病院に連れて行ったら、毒クラゲに刺される季節だといって、バケツに湯を溜めて息子の手を入れさせたら不思議に落ち着いたのだネ。うつ伏せにして両手をぶら下げていた息子は、やがて痛みが治まるとイビキをかき始めたのでまた笑ってしまったヨ。クラゲの棘(とげ)もタンパク質なので、湯に溶かすと痛みが無くなるという理屈だった。ジャミラは、他の子供は触ろうとはしなかったのに、我が息子だけがつかんだり投げたりして遊んだのは、好奇心のまま行動してしまい慎重さがない証拠だと怒っていたヨ。その時は自覚しなかったけど、ミミズにションベンをかけてチンコにダメージを受けた己が身を想起すると、DNAの絆(きずな)の深さを感じるネ。