【聴く】ペトレンコの指揮  ベルリン・フィル  ジルベスタ―・コンサート

 日曜夜のプレミアム・シアターは、恒例の2020年のベルリン・フィルのジルベスタ―・コンサート(年越し演奏会)を常任指揮者・ペトレンコでやったものを放映していた。ペトレンコは名前を聞いたことがある程度だったのに、ラトルの後を襲って世界トップの技術を誇るベルリン・フィルの常任指揮者に選ばれたので驚いていたものだ。見た目も冴えない田舎の村長さんみたいで、演奏も期待できないと思っていたら、スゴかったネ。スポーツ・ニュースを見ていたためだったか、番組を見たのは途中からながら、ベートーベン「レオノーラ」序曲第3番の細部がクッキリ聴こえる演奏だった(この曲についてはしばらく前に記した記憶がある)。

 多少聴き飽きた感のあるこの曲に聴き惚れて最後まで何もせずにいた(ふだんは本を読みながらクラシックを聴いている)。ベルリン・フィルがスゴイのか、ペトレンコがスゴイのか・・・他の指揮者でベルリン・フィル演奏のこの曲を聴いたこともあったろうから、その記憶がハッキリしないということは、ペトレンコの指揮が素晴らしかったというわけだ。それはこれも聴き飽きている、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」で証明された! ギターの独奏の方は判断できないけど、弦楽器がリズムをクッキリとさせながら強弱の対照も効果的に演奏していて心をつかまれたネ。管楽器も世界最高のフルーティストのパユはじめ、ハイレベルがそろっているから言うこと無し!

 後で録画してあったメナ指揮のN響と聴き比べたら、弦では世界でも評価の高いと言われるN響の音が濁って聴こえたヨ。メナという指揮者は知らないけど、曲に合わせてスペイン音楽が得意と思われるものの、歯切れの良くない演奏だったネ。やっぱりベルリン・フィル、そしてペトレンコがスゴイのだネ(アランフェスの第2楽章のイングリッシュホルンだけは、N響若い女子(名前が出てこない、宮本文昭の弟子)の方がイイ音だったネ)。ただしリムスキー=コルサコフの「スペイン狂詩曲」はこのコンビの演奏でも曲のつまらなさは変わりなかったナ。気付いてみればジルベスタ―らしくテーマを持ったプログラムだったようで、最初のベートーベンを除けば全部スペイン音楽だった。再々放送を期待したいネ。

 ペトレンコ、怖るべし!