【見る】放送大学「日本美術史の近代とその外部」  稲賀繁美  青山昌文 

 4月になって放送大学の出し物が大幅に変更され、今までは早朝や平日の昼間のため録画でしか見ることができなかった番組が、見やすくなっています。例えば一押しの、

稲賀繁美「日本美術史の近代とその外部」が土曜(今日)の3時45分からなので、土曜出勤でない人なら見やすくなりました。放送大学では以前から各種の美術番組が放映されてきましたが、稲賀さんほど水準の高い番組は前代未聞です。毎回今までの知識が一新される心地よさを味わえます。

 青山昌文も美術関係の番組を担当していますが、だいぶ見劣りがする上に講義が下手過ぎて聞き苦しいばかりです。ヒマな人は「実に」など数種類、青山が特定の言葉を講義中に何回くり返すか、数えてみるとその下手さ加減が分かるでしょう。教育現場にいる人にとっては、青山が「反面教師」の好例になるでしょう。

 その点、稲賀さんは必要最小限の言葉しか発しないので、講義が「実に」スッキリしています。脳のレベルには圧倒されますが、感性の鋭さもスゴイです。