【見る】魚にも思いやりもあれば意地悪もする? 

 釣り部が魚の研究をしているというのじゃないけど、魚の習性については格別の関心を抱いている。むかし又吉直樹の「ヘウレーカ」(残念ながら4月から無くなった番組)の実験で、群れている魚が1匹でも仲間がいなくなると(釣られると)残りの魚が警戒心を強めるので、釣りにくくなると知ってとっても驚いたことがある。この知識は多少とも釣る時の参考になったけれど、魚にも他魚(他人ならぬ)に対する愛情や反発があるというのは、釣りには役に立たなくても腰が抜けるほどビックリする習性だネ。

 こちらは日曜夜にEテレで放映している「サイエンスZERO」が以前見せた実験なのだけれど、朝日新聞(夕刊)5月17日に同じ実験を取りあげていたので紹介することにした(興味のある人は読んで驚いて欲しいネ)。中南米原産の魚で「一夫一婦制」を守るのがいて、2つの部屋を用意してオスが一方の部屋のエサを食べると隣りの水槽にいるメスにもエサが与えられ、別の部屋のエサを食べてもメスには与えられないようにすると、オスはメスが食べることができる部屋のエサを食べるようになるという。

 メスがパートナーでなくても比較的メスも食べることができるようにするけれど、確率は下がるというのが興味深い。人間のオスなら新しいメスを大事にするだろうからネ。さらに(テレビ実験では)そうしたオスの行動が見えるようにパートナーのメスを置いておくと、オスは別のメスへのサービスを控えるというのも、まるで人間の世界だよネ。メスの代わりに別のオスを置くと、確率はさらに下がって意地悪をしているように見えるというのもオモシロい。

 人間の世界では「一日一婦制」が反省期にあると見えるけれど、魚の世界では守るべき制度と信じられているようだ。魚でなくて良かったヨ、ジャミラは怖いけど。