【ゼミ部】「ガラスの靴」補遺  イチロー生涯唯一の小説(「ガラスの靴」のマネ?)

 オンラインで参加していたユキオ君(一橋大博士・フランス文学専攻、ヒグラシでもジッドで複数回発表経験あり)から、靴を食べるイメージについて貴重な教示と映像資料をもらったので紹介します。それにしてもチャップリンの演技には笑えます。

 
ジェロパイは初めて読んだ時から気になっていたので、今回調べてみたら「ジェロ」は商標なんですね。
チャップリンの靴は『黄金狂時代』にあるシーンです。吹雪の山小屋で空腹に耐えかねて食べるシーンなので、「食い物の壁」に囲まれた場面に置き換えられるのは興味深いです。
そういえば、「間違えた。午後二時だ。」については関谷先生のおっしゃるとおりだと思いました。
どなたかが引いていたかと思いますが、「夜昼ごっちゃになった時間は、一日一日の切れ目がなく」というような時間を生きていた「僕」が、現実の時間に引き戻された瞬間であるかのようでした。
西村
 
 ゼミ以前のブログに記したイチロー定時制教員時代に生徒のために書いた小説を、当日電車内で読み返したらまるで安岡章太郎バリなので驚いたネ。あまり意識して書いた記憶は無いのだけれど、「ガラスの靴」や「宿題」の痕跡がバッチリだったヨ。実は退職記念会には参加してなかった高田先生と学部生用に、残っていた2部のコピーを持参したのだけれど渡しそこねてしまった。定時制の生徒のみならず、同僚教員や同期の院生仲間にもけっこうウケた小説で、後に聖心女子大院の非常勤講師をしていた院生たちが、無断で読書会をやったと聞いてビックリしたこともある。後で下ネタも部分の質問を受けて苦笑したヨ、女子学生には分からない男の秘密の箇所だったからネ。