【近況】クリスマス  中川一政  内田樹『日本辺境論』

 昨日は意識せずに街中に出たら、変に混雑していたので何ごとか? と思ったらクリスマス・イヴなんだネ。こちらは前日が休診なので24日に薬(血圧と喘息)をもらいに行っただけなので、まさかのにぎわいにビックリだったネ。身体は異常無しで薬をもらった後、例によって古書店・七七舎(国分寺北口徒歩2分)に寄ったら、100円均一のゾッキ本の中にたくさんの掘り出し物を4冊ゲットできたヨ。なかでも中川一政の油絵の画集がピカイチだったネ。大好きな棟方志功に影響を与えたというデザイン画(?)は前から知っていたけれど、油彩がこんなにスゴイとは知らなかったヨ。これが100円でゲットできるとはネ!

 もう1つの掘り出し物は、30年前の『別冊歴史読本 戦国城盗り出世大名』で、滝川一益はじめ気になってきた大名の出自やその後の活躍が詳しく解説されている。帰りの電車でさっそく滝川一益を読み始めたら、先祖が甲賀の忍者というので何となく納得したところがあったネ。信長の勇将の1人で、何かの合戦(長篠?)で敵の首を7~8個も取って持ち歩いていたため、大将の首を取る余裕が無かったという笑える話を覚えている。

 前回あるナと思っていた内田樹の『日本辺境論』(新潮新書)が残っていたのでゲットしたヨ。興味が無いのでスルーした本だったのだけど、先日の忘年会で会った時、内田に《学大の学生がこの本が出た時に買ってきたと言ったので、「今さら日本を『辺境』として論じることがあるのかナ?」と応えたヨ。「むかし井上光晴が『辺境』という雑誌を出していたけど、それと関係あるの?」》と訊いたら、それは知らないと言ってたネ。それで両者の差異が気になったのでゲットしたのだけれど、昨夜読み始めたら全然関係ない上にむやみと啓蒙的なクドイ書き方なので辟易(へきえき)したヨ。内田本人が何度も認めるように、丸山真男養老孟司などの「受け売り」で何の刺激も無い。それでも買ったものは6年間で40刷も売れたのだから、読者のレベルがよほど低いのだネ。まだ読み始めたところだけど、内田に期待しているオリジナルで面白い思考・意見が見出せていない。レヴィナスについての本以外が、あまり面白いと思えず読まないままに放置されているのもそのためなのかな。ハルキ本もチョッと覗いたことがあるけど、すぐに本を置いたしネ。

 

 内田と同じ学年で小さな出版社をやっている仲間がいるのだけど、2ケ月ほど前に小林秀雄について啓蒙本を出そうという考えと共に、むかし分かりやすく書いた小林についての連載を送ったら、「これではまだ世間では取っつきにくい」と言われてしまったヨ。一般の読者に合わせてハードルを下げるのは、実に難しいものだと痛感。でも誰でも書ける小林本なら、敢えて自分が書く必然性は感じないから書く気は無いしナ。やっぱりレベルを下げ過ぎないようにしながら、イチロー・カラーを出すようにしないといけないネ。売れなくてもイイのだからとは思うものの、だとすると出してくれる出版社など無いから実現しないかな・・・