【聴く】柳兼子はホンモノの歌手  大竹しのぶの歌はシロウト並みのヒドさ!

 オープン・リールに録音してあるのを聴いているのは、大音量のワーグナーばかりではない。ピアノ伴奏で歌曲も録音してある中に、アルト歌手・柳兼子の晩年の演奏が素晴らしい。柳兼子といっても知らない人がほとんどだろうけど、「和解」にも志賀直哉を思わせる主人公の友人・Yというイニシャルで出てくる柳宗悦の妻だった人だヨ(小説読んでもスルーされているだろうけど)。その頃の歌の録音は残ってないようだけど、晩年の録音があってボクはレコードも持っている。晩年といいながらもレコードを出すくらいだから、十分売り物になる声でありスゴイ深みのある歌唱で揺さぶられるネ。20世紀を代表するソプラノ歌手であるマリア・カラスの晩年は往生際は悪くて、とても聴けない声になっているのに日本にも歌いに来ていたのは無惨だったネ。

 柳兼子は当時のカラスよりも年をとっていたと思われるけど、キチンと聴取を感動させる歌を聴かせる力を持っていたヨ。不思議な縁だけど、大学2年目に武蔵小金井に1年間住んでいて(南に住んでいたので、当時は学大が北側にあるのを知らなかった)、駅からアパートに帰る商店街の歩道で2回素晴らしい歌声を聴いたのを忘れない。声の持ち主は小さな老婆なのに、玄人並みの歌唱で驚いたものだ。後でラジオで柳兼子を聴いて、あの声はきっと彼女だと思えたネ。信時潔の歌曲集(名前が出てこない)を歌っていた声がソックリだと思えたからネ。CDが出ていたら買って聴く価値が十分あるから、興味のある人には勧めるヨ。

 

 それに比べると大竹しのぶの歌は下手過ぎて、とても売り物にならないネ。子供の頃にギター片手に(弾いていたとも思えない)歌っていた気がするけど、晩年とはいわぬながらあのトシで歌手とも思えないブザマな声と歌唱を人前にさらすのだから、よっぽど厚かましいのだネ。演技の方は野田秀樹と結婚して見違えるほど上達したものの、歌の方は完全にシロウトのままだネ、それこそ野田伝授の演技でゴマかしている歌い方だヨ。最初に不快感を抱いたのは、ポピュラー歌手としては史上最高の女性だと思うエディット・ピアフの代表曲「愛の讃歌」を歌っていたのを見た時ネ。いかに聴いて感動したからといって、何も自分で(それも人前で)歌うとはずうずうしいにも程がある。同じことは先日再放送していた中島みゆき特集でも言えるネ。気に入った曲だからといって、自宅やカラオケ・ルームで歌うならまだしも、テレビ番組で歌ってしまうのだから己れを知らぬにも程があるというものだヨ。歌わせる方にも責任があるけれど、しのぶは自分の歌のレベルの低さを認めて今後はいっさい人前で歌わないでもらいたいものだ。テレビ局でも歌わせないようにしないと、歌番組をブチ壊すことになるからしのぶは出演禁止にすべきだネ。聴衆をバカにするにも程があるというものだ!