【見る】「英雄たちの選択」  千利休  黄金の茶室  橋本麻里  千宗屋

 今朝の「英雄たちの選択」は先週夜の再放送で千利休だったけど、実に充実していたネ。前回のような里中満智子のようなドシロウトがゲストではなく、美術では有数の審美眼を具えた橋本麻里さんだったのが良かったのかもネ。特に秀吉が天皇を招いた黄金の茶室の理解についての橋本さんの解説には、MCの磯田さんも秀吉に関する新書も出している小和田哲男さんも感心していたヨ。黄金の茶室に対しては、誰しも成り上がり者の秀吉の悪趣味だという判断をしてきたけれど、利休の代表的な茶室「待庵」(2畳程度の広さ)と同様に利休の思想・美意識が表われているということだったヨ。金色のみならず絨毯(?)の赤色とが、密室の黄金の茶室内で特別な効果を出すというのだけど、その茶室内で体験してみなければ伝わりそうもない印象だったけどネ。

 利休の直系・千宗屋もゲストで若い頃とは違って言うことに値打ちが出てきた気がしたけど、橋本さんが宗屋の茶道の弟子だそうで、橋本さんとの付き合いが宗屋を知的に育てたという印象だったネ。もう1人、利休の直系という何某が出てきて利休がダヴィンチに似ているなどと放言していたけど、こちらの直系は宗屋の奥行きとは正反対の俗物の印象で、利休に恥をかかせている感じが拭えなかったネ。千家・裏千家・武者小路家の3家に分かれているのは知っているけど、子孫にもピンからキリまでいるのも当たり前かな。

 それにしても轆轤(ろくろ)を使わずに茶碗をひねり出す技法を400年続けている楽家も、以前テレビで見た最近の直系の作品はピンとこなかったけど、今回の番組に出ていた初代の茶碗は冴えていたネ。秀吉が黒茶碗が大嫌いだったというのが、利休切腹の遠因ではないかという把握も面白かったネ。