【状況への失言】戦争犯罪人・プーチンのウクライナ侵略(8)  義勇兵  「誰(た)がために鐘は鳴る」  ロシアへ呼ばれるシリアの「義」勇兵  地下鉄に化学兵器が使われたら!

 一昨日(10日)のNHKBSプレミアムでは当初の「嵐が丘」の予定を変更して、「誰がために鐘は鳴る」(ヘミングウェイ)を放映していたので苦笑が洩れたヨ。先日ブログで紹介したばかりだからネ。やっぱりNHKでもプーチンウクライナ侵略を意識して番組編成をしているに違いないネ。ゲーリー・クーパーとバーグマンとが主演のモノクロ映画と記憶していたけれど、カラーだったのは後で色付けしたものかな。見応えがあったので、原作も読み応えがあるのは間違いないネ(今のボクは余裕がないけどおススメだ)。ヘミングウェイのセックな(乾いた)文体の味わいは知っておくべきだヨ。

 「誰がために鐘は鳴る」が今注目されるのは、はスペイン内乱時の義勇兵を主人公にしているからだ。けっこう早い時期にゼレンスキー大統領が海外からの義勇兵を募っていて、日本からも70名の希望があったことは記したとおり(残念ながら政府が許可しなかったけど)。スペイン内乱の際には右翼のフランコの側にはヒットラー(とムッソリーニ?)がついてゲルニカ空爆して、怒り狂ったピカソが巨大な絵画を描いて抗議したのは有名な話。ウクライナに集結した義勇兵の中には、ルカシェンコに抗するベラルーシ人がテレビに映し出されていたのは頼もしいかぎり。

 

 現在ウクライナには50ケ国超から2万人の義勇兵が参加しているとのことだけど、プーチンがヘソを曲げて対抗策としてシリアから「義勇兵」を呼び寄せたとのこと。カギ括弧で括ったのは純然たる意味の義勇兵ではなく、いわば同盟国から「義」ではなく「利」で結び付いた腐れ縁で呼ぶと言っているからだ。リビアから中東まで革命が起きて独裁者が処刑されたのは覚えているだろうけど、シリアだけはロシアが強力に支えたお蔭でアサドの独裁政治が続いているのは周知のとおり。

 何故そこまでロシアがシリアにこだわったの不明だったけど、中東専門の高橋和夫先生(放送大学)の講義によれば若い頃のアサドをはじめシリアの空軍兵士はロシアで訓練を受けており、何千だか何万だかのシリア兵がロシア女性と結婚してシリアに帰っているそうだ。ということはロシアとしては自国出身の女性を守るためにも必死だったということになる。今回もロシアのためならということで、ロシア女性を妻に持つシリア兵がウクライナ侵略に手を汚す(命を落とす)ことになるのだネ。

 シリアがらみで怖ろしいのは、シリアでは反アサド政権に対してロシア・シリア軍が化学兵器によって500人ほど殺したという事実。その際もまずロシアの手口で相手が化学兵器を用意しているというデマを流してから、化学兵器空爆して軍事的には勝利したという「不愉快な真実」。今回もロシアが「ウクライナアメリカが化学兵器を製造させている」というデマを流しながら自分で国連に訴えたものの、会議参加国からさんざんに非難されていた。ロシアの国連代表はハゲてデブな変質者じみたオヤジだけど、非難した各国の代表はほとんどが女性だったので、ハリウッドでセクハラをくり返してミー・トゥー運動で逮捕されたプロデューサーを想起させてオゾマシイ感じだったネ。

 フセインクルド化学兵器空爆して殺した映像が時々流されたけれど、路肩で母子が倒れているのみならず地下室にも死体が並んでいた。高橋先生によれば化学物資は空気よりも重いので地下室に逃げたのが逆効果だったという。身体が震えそうな想像を強いられるのは、逆上したプーチンキエフの地下鉄に退避しているウクライナ市民が化学兵器で虐殺される光景だ。それでもアメリカとNATOは手をこまねいてスルーするのだろうか?! (続く)