【状況への失言】殺人鬼プーチンのウクライナ侵略(21)  中村逸郎さんはアブナイ  欧米はウクライナを見捨てる気だった(中山俊宏)  小泉悠さんはエライ!

 ウクライナ問題では、杉村太蔵を最悪として従来のコメンテーターが役だ立たない一方で(太蔵の場合は前回指摘したとおり、アイヌ差別を生じさせることもあって危険でさえある)、ロシアや軍事の専門家はおおむね信頼できるので世界認識が更新できてありがたい。しかしロシア専門家の中村逸郎さん(筑波大学)は、ウケねらいが強く出てしまう場合もあって信用しがたいところもある。最低だったのはトランプが戦争下にある2国の調整をやってもいいと言ったのに乗って、トランプに期待してもいい等と太蔵並みの低レベルのことを発言した例だネ。トランプはあくまでも商人だから、「取り引き」はできても政治力は欠落しているからネ。

 アメリカの専門家では以前記したように中林美恵子さん(早大)は頭脳不明晰のようで信頼できないけれど、中山俊宏という人(慶大)はものが良く見えるらしく怖い認識を披露してくれた。以前のブログに記したNHKの各専門家の討論会(藤原帰一東大教授が安倍晋三の北方4島への取り組みは間違っていたと断言した会)における中山さんの発言。

 《アメリカはイスラム原理派に押されていたアフガニスタン(政府)を簡単に見放したように、ウクライナについても同じような捉え方をしていた。だからハナから本気で支援しようとは考えていなかったのに、意外にもゼレンスキーはじめウクライナ軍や市民が善戦して国際的な支持を獲得したので、本格的な支援をせざるをえなくなった。》

 そう言われてみれば、バイデンがいち早く「ウクライナに武器は供与しない」と明言したのも、本気でロシアと闘う気はないという魂胆だったのだと納得できたネ。バイデン発言は当初から批判され続けていたけれど、中山さんの分析のとおりだとすればアメリカもNATO諸国も、ウクライナを犠牲にしてでも「平和」とロシアのエネルギー資源を優先すると決め込んでいたものと考えられる。これもブログで紹介したブレイディみかこさんが、「イギリスは戦車が動かないと本気で闘う気になれない」と批判していたのも腑に落ちるというものだネ。アフガニスタン同様、面倒なことには巻き込まれたくないというのが欧米諸国のホンネだったのだ。まさかと思っていたのに、プッツン・プーチンが安心してウクライナ侵略を始めたのも理解できるというもの。侵略開始した時のプーチンの気持はフツーだったのに、ウクライナがロシア兵より強かったり・各国がウクライナ支援をし始めた時はプッツン気分だったろネ。

 

 プーチンウクライナ侵略のお蔭で、小泉悠というロシアの専門家(東大講師)も知られるようになったと思う。実はずいぶん前からロシアが話題になるたびにメディアで貴重な発信をしている人で、個人的には小泉さんの意見を聴くのが楽しみだった。橋下徹もある番組で、「ロシア問題では一番信頼できる人」だと言っていたので、その点だけは橋下を評価したいネ。小泉さんからは他のロシアや軍事の専門家からも聞けないことを教えてもらえるけど、ボクがひときわ感心したのは己を見つめる眼の鋭さだネ。前回記した杉村太蔵古市憲寿橋下徹安倍晋三と並べると、どいつもそろって己を見る眼が欠落しているから言動が片寄っていて信用できない。

 小泉さんは「ウクライナ避難民を見ていて心が打たれたけれど、中東やアフリカからの避難民の時は心がそれほど動かなかったのは、自分の中に《人種差別》の意識が潜んでいたのが判って恥ずかしい。」という反省を素直に吐露していた。専門家としてもスゴイ人だけど、人間としても上記4人のようなゲスとは真逆のホンモノなんだネ。

 その後、別の番組で吉永みち子さんが「ウクライナ人を日本に避難民として迎えるのは賛成だけど、他の国からの避難民も喜んで迎えるようにしないとネ。」と発言していたので、この人もただの「騎手の妻」じゃないエライ人だと感じ入ったネ。

 (吉永さんの亡き夫は騎手だったのだけど、落馬事故で亡くなったのは知らない人が多いだろネ。ボクが馬券を買っていた頃(学部2~3年目)の事故だったと思う。)

@  後日検索したら、吉永騎手の直接の死因は落馬ではなく胃ガンとのことだった。