【読む】多和田葉子「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」

 あまり面白いとも思えなかった多和田の「朝日」連載小説がイキナリ終った印象だヨ。マジメに読んでいなかったせいかもしれないけど、「ここで終りかい?!」という感じが強烈だ。それでも新聞小説を最初から最後まで読みとおしたのは珍しい。前にも記したけど、高橋源一郎の日本文学史に基づいた(後でベストセラーになった?)作品も、他の有名作家のものと同様で連載当初だけですぐに読むのを止めたからネ。先日多和田本人の「連載を終えて」という記事が出たけど、それを読んでもモチーフやテーマの理解に役立たたないままだヨ。現代小説家の先端を行く作家のようであり、ずいぶん前から学界でも評価されて研究発表や論文も散見するようになったものの、自分には縁の無い人のようだネ。それでも初期小説は古書店でゲットしてあるので、いつか読むかもしれないけどネ。

 いやいや、ヒッキ―(疋田雅昭)先生の大著の宣伝のためにも付しておかなければならないのは、『トランス・モダン・リテラシー』(ひつじ書房)に収録されている多和田作品は論文を読むためにも必ず読むことを誓います。連載小説と同じ印象を抱くかもしれないけどサ。