【見る】多賀幹子も無知そのもの?  英国王室評論家の見識  十字架の形の教会と舞台  「アンチゴーヌ」と三島戯曲  漱石とビクトリア女王の国葬  

 いまブログに、安倍晋三を好い意味で「偶像」だとカン違いしている鈴木涼美という御仁の無知さ加減を記しながら「ひるおび」を見ていたら、エリザベスの国葬のテレビ中継を映しながらゲストの多賀幹子という人が衝撃的な発言をしていたのでビックリだネ。「教会の内部の縦横に並ぶ参加者を映しているお蔭で、内部が十字架になっているのが分かった」と初めて知ったカンゲキぶり。他のレギュラーたちも多賀の「発見」に感心していたのも驚きだったネ。

 これだけじゃあ、以前ブログでじゃワセダの中林美恵子センセイに苦言を呈したのと同じになっちまうナ。少しは身になる話を付そう。

 

 教会が(少なくとも大きなもの)上から見ると十字架の形をしているのが明確なのは常識だと思っていたので、今さら驚くことではないと思うがナ。それを意識してか、舞台を十字架の形にする例もある。録画してあるジャン・アヌイの「アンチゴーヌ」を栗山民也が演出した舞台も十字架の形をしているけど、栗山が言うには宗教的な意味を意図したのではなく単に観客の配置だけのようだ。もちろん演出家の意図を超えた読み方も可能ではあり、それは作品の背景がキリスト教以前のギリシア悲劇だという設定も超える。ヒロインの蒼井優がこの十字架の真ん中で両手を広げてうつ伏せる場面は、どう見てもイエス・キリストの姿だ。

 そう言えば学大で演劇担当の教員をしていた佐藤信さんが、卒業公演(?)の演出で三島由紀夫の作品を演出したのを観たことがあるけど(背もたれも無い椅子だったので途中で退出した)、狭い教室の中に十字架の形の舞台を設定していたヨ。作品が思い出せないのだけど、「サド侯爵夫人」だったら反キリスト教なのでハマるけど、あの長編戯曲を卒業生がやるとも思えないので・・・(もちろん佐藤さんがキリスト教を意識したかどうかはこの際論外。)

 

 エリザベスの国葬で思い出すのは、漱石が留学中にビクトリアの国葬(?)の行列を見に行った時の日記の記事だ。漱石がチビで行列を見ることができないので、誰だったか忘れたけど漱石を肩にかついで見えるようにしてくれたというので笑えたネ。