【見る】放送大学「空間と政治」  原武史  新宿騒乱罪事件

 『大正天皇』(朝日新聞社)がけっこう売れた原武史さんが全15回を講義している放送大学「空間と政治」は面白いのでおススメ。つい先日終わったばかりだけど、近いうちまた再放送があるだろう。第12回に取り上げられた「空間」はボクの地元の国立で、国立という街ができた歴史が分かってナルホドだったネ。後半は新宿になって68年10月21日の国際反戦デーの映像が流されたので懐かしかったネ。「米タン阻止!」(ベトナムに「侵攻」するアメリカ軍に燃料をJRで送るタンクを新宿で阻止しようという運動)のために集まったたくさんの群衆(学生が多かったかな)が暴れたので騒乱罪が発動され、その場にいるだけで逮捕されるということになった。

 暴れた1つは、ボク等が駅構内に突入して線路上に降り、無限にある石ころをホームに整列していた機動隊に向けて投げつけたことだネ。それまで各地で一方的に弾圧されてきた(肉体的に圧倒されてきた)機動隊を圧倒してホームから追い出して、南口の道路上からも追いやったヨ。個人的には機動隊の楯で殴られて腕が上がらなくなったり、駒場にあった東京教育大学農学部(?)のキャンパス内で退去する機動隊に向かって罵詈雑言をくり返していたら、いきなり首をつかまれてツバを吐きつけられるという侮辱も受けたこともある(ツバの臭いが洗っても取れない感じが残って堪らなかったネ)。

 その時の体験をボクの生涯唯一の小説「イソップ新話」(退職記念の集まりで配布)にも記したけど、背景の騒乱罪事件を知るともっと分かる小説かもネ。ともあれこの武勇伝は何度かユウ君に話したけど、ボクのところに集まる仲間たちはおそらくボクと同じような体験をしたといつも思っているヨ。「遅れてきた青年」(大江健三郎)たちには同情するしかないネ。ボク等級友10名は進学試験を拒否したために2年いっぺんに落とされ(東大入試が中止になったため)、卒業後給与などで差別待遇を受けることになったのだけどそんなことはどうでも良かったネ。

 当時の友人たちとの結束は、未だに強い絆(きずな)で結ばれて集まり時々飲んでいるヨ。