オリンピック???  猪瀬直樹  滝川クリステル

思い付きと勢いだけはあった慎太郎がオリンピックを言い出した時は、またあのバカが! と思っていたけれど、慎太郎のお陰で都知事にまで成り上がった猪瀬直樹がオリンピック招致を受け継ぐことで、そのバカさ加減まで継承したと見える。
猪瀬は「ピカレスク」とかいう取るに足りない太宰論の中で、井伏鱒二を誤解しっ放しで無知を暴露していたが、貴重な原資料を拝観させてもらう際に渡された手袋に文句を言っていたのも無知のみならぬ無恥をさらし、あの厚かましさには心底ウンザリさせられる。
ともあれ今の日本でオリンピックなど、時代錯誤でどうせ実現などするものかと楽観していたら、何となくその可能性が見えてきてしまい、黙っていられなくなってしまったので二言三言・・・

かつて突然総理を辞めたソーリー安倍も、フクシマの痛みを完全に無視して原発輸出を画策するのみならず、オリンピック招致にも乗ってしまい、景気を始めカラ元気ばかり振りまいていて危なっかしくて見ていられない。
「2番じゃいけないんですか?!」という歴史的名言を想起すべき時に、空しい過去の繁栄を追い続ける安倍・自民党のバカさ加減にも呆れるばかり。
都民・国民(の一部?)もオキナワの犠牲の上に築いた「平和」に安住した味を忘れられず、ヒロシマナガサキは愚かフクシマも忘却し去ってオリンピックにはしゃいでいるとすれば、シリアでイラクを繰り返そうとするアメリカを笑えない恥知らずに位置付けられるだろう。

それにしてもマスコミの前でテニスをやってみたり走ってみたり、猪瀬が背伸びしてアピールすればするほどその貧相さが強調されてしまうミジメさは笑いが止まらない。
その穴埋めとして起用された滝川クリステルは、さすがに役どころを果たしていて感心させられる。
猪瀬が茶番を演じている一方で、堂々とニッポンをアピールしているのはさすが。
以前資生堂のコマーシャルで女優群の色を失わしめたそのルックスは(日本人女優の美的レベルの低さが露わにされた思い)、新鮮さは落ちたとはいえまだまだ輝いていて、特にビンボー臭くてカワイソーな猪瀬と並ぶと存在感が際立っている。
(でもウワサになっている相手が、征爾の子供だというだけで何の取り得もない小沢征悦とは情けない。)
オリンピック関係の会見でも海外の記者から突っ込まれたフクシマを、完全に救済してからオリンピック招致もありうるかもしれないが、今の日本人がゲンバク・ゲンパツを忘れてバカ騒ぎしているようでは、恥知らずの国民と呼ばれても仕方あるまい。

@ 浅田彰も学生時代にご自宅に出入りしていたという、京大の数学の先生の名と著書の名が思い出せないほどボケが進行している。
本の名は上記のレンホウの発言と同様の、「2番」がキイワードのもの。
漱石風に言えば、トップを争って「神経衰弱」になるよりは、「自足」を知って安楽な生を営むべし、というところか。
別言すれば「○○と女は量より質」というイチロー(関谷)の名言を噛みしめる時だ。

(補注)アマッチからのご教示によれば、森毅『二番が一番』という本で、文庫本もあります。