宇都宮における「卒業生との集い」

 * 東京学芸大学の卒業生に出した「卒業生との集い」の案内です(一部改訂)。同趣旨の集いを宇都宮でも催してもらうことになったので、ご参考までに付します。 

 イチロー引退式へのお誘い(とお願い)  (文責・関谷イチロー

 年賀状では既にお報せしましたが、今年度をもって東京学芸大学を定年退職し、「老後」は〈読み・書き〉の生活を楽しむことにしました。
 有り難いことに「特任教授」として残ることをお勧めいただきましたが、学大でやりたいことは十分やり尽くした気持だったので、お断りしました。さらに上野忍岡高校定時制(七年)と宇都宮大学(一〇年)を含めると四〇年近くの教員生活を思うと、教育から身を引く頃合いであるに違いありません。今後は他人のために生きる(教育)よりも、自分のために生きたい(研究・趣味)というのがホンネです。
 具体的には買い集めた本を読み尽くすことであり、書きたいことが生じたらまとめることであり、録音した音楽を聴きまくることであり、録画した演劇・美術・歴史等を観ることであり、もちろん釣りに行くことです。月に一度くらいは、卒業生とゼミをやって呑むのも大きな楽しみです。考えているだけでワクワクしてきますが、イザとなると人間は怠けがちになるものですから、己れのチェックを忘れないように留意したいと思います。ダラケている私を見かけたら、厳しくカツを入れて下さい!
 さて国語講座と学芸国語国文学会から、お約束の「最終講義」もお勧めいただいたのですが、晴れやかな行事を素直に聞き入れる人間ではないことは皆さんご存知のとおりです。講座・学会の行事をお断りする代わりの記念催事として、「卒業生との集い」を計画していたら、宇都宮大学の卒業生も合流したいと伝えてくれたので、日にちを変えて宇都宮でも同じ催しをすることにしました。
 「講義」ではなく「口演」のつもりで、卒業生からの質問に応えながら、生までダラダラとお話ししながら遅れて来る人を待ちたいと思います。皆さん揃ったところで、教員としても最後の酒盛りをしながら、参加してくれた人達とお話しすることを希んでいます。ですからイチローと話したい・呑みたいという人・あるいはイチローが死ぬ前一目会っておきたいという人だけに来ていただきたいので、義理や人情のためにおいでいただく必要はありません。私の常套句風に言えば、「女と参加者は量より質」ということになります。ちなみに還暦祝いをお断りしたように、告別式もやる気はありませんが、生きていたら五年ごとくらいにこうした会を催したいとは考えています。卒業生(年若の友人)は、私の一番の財産ですから。
《宇都宮大卒業生と北関東在住の学大卒業生との集い》
  三月二九日(土曜)三時から口演   宇都宮大学附属幼稚園
           六時から吞み会  駅前ララスクエア