東京新聞(政治・社会面)  蓮舫の二重国籍問題

【9月20日に書き始めた記事】
以前から案内ビラが届いていたのだけれど、学生時代からずっと信用している仲間のエロシから東京新聞の闘いぶりを聞いていたので、1週間の「試し読み」を頼んでみた。
目に立つ利点は活字が朝日よりは大きめで読みやすいことであり、テレ番が大きくて詳しいのも取り柄だし挟み込みの広告チラシが無いのも気持イイ(購読者が少ないからだろう)。
肝心な記事だけれど、いきなり蓮舫二重国籍問題が2面を使って特集していたので感心したものだが、朝日にはそれ程大きく取り上げられていなかったと記憶する。
国籍問題で蓮舫の足を引っ張るとは、情けない連中だと呆れていたものの、朝日には蓮舫たたきをシッカリと批判する記事が見当たらないので物足らなかった。
東京新聞の記事では、2面の見出しがそれぞれ《「単一民族幻想」日本は騒ぐけど・・・「重国籍」欧米では普通》と《ダブルルーツの人々 感じる息苦しさ「蓮舫たたきは排外主義」》というもので、横に《「国籍唯一原則見直す時」》とも記されている。
見出しだけで正当な主張が分かりやすく伝わってくるけれど、読むとさらに説得力のある論理が展開されていて納得できる。
ネット右翼だけでなく、右翼の産経新聞(新聞というより週刊誌的紙クズ)が蓮舫を誹謗中傷しているのは低能で理解力が無いからで仕方ないものの、民進党内でも代表選の間に対立陣営から「代表候補として失格」という非難が出たというのだから、民進党にも自民党同様の低劣・無能な勢力があるということで双方共に救いようがない。
日本維新の会自民党以上に右翼的で、国会議員などの重国籍を禁止する法案を提出する構えだというのだから呆れるばかり。
ネオナチ的な大衆迎合主義の橋下徹の単細胞頭から出てきそうな主張ではある。
橋下は小池百合子と同じく、保守反動政党である自民党の悪事を暴いたり追及するには役立つけれども、(以前一度ならず記したとおり、出生の?)コンプレックスをバネに言動するので片寄りだらけで危険そのもの。

それにしても自分を含めて現状を知らな過ぎるのも問題だ。
沖縄でアメリカ兵と日本人女性との間に生まれる子供を「アメラジアン」と言われるそうだけれど、日本は「出生地主義」ではなく「血統主義」なので日本国籍を得られないまま無国籍のまま放置されていて問題になっていたとのこと。
沖縄のアメラジアンは約3000〜4000人いるそうで、さらに年間約300人生まれるとのことで彼らの多くが二重国籍を希望しているのに、日本かアメリカかの二者選択を強いられるのが現状だ。
文字通り母か父のどちらかだけを選べと強制されるのだから、無茶な話だ。
当然ブラジルでも同様の強制が持続されてきたのであり、話題になっている卓球の愛ちゃんもこのままだと悩ましい問題を強いられることになる。
橋下・維新がヒステリックに二重国籍に反対する一方で、蓮舫問題についての(日本テレビの)世論調査によれば、
 ・二重国籍自体を問題にすることはない  31、7%
 ・日本国籍を持っており問題ない     30、4%
 ・二重国籍は問題            14、6%
というのだから、新聞のデスクの言うように国民一般の方が政党人よりも遥かに冷静なのは安心材料。
日本人の同調圧力にはウンザリするばかりだけれど、少なくとも蓮舫問題に関しては視野も広く心も開けているので頼もしい。
あるいは蓮舫人気のせいかもしれないけれど、(以前記したとおり)ボクも蓮舫のかもし出している清潔感を信頼している。
小池百合子の漂わしている不潔感・不信感と比べるとハッキリすると思うけど、蓮舫には小池のような自己中心的発想が見られない。
小池にとっては自分が目立つのが第一で、そのためには当面の権力にくっ付いていられるように、勝ち組を見ぬいて裏切りも辞さない手口で政界を渡り歩いてきた。
その点では男の政治屋以上に政治屋の典型で、マッチョな政治屋の代表で女性らしさは全く欠けている。
最近テレビに露出し過ぎてウルサイそのまんま東(東国原)でさえ、「小池さんは人間として嫌いダ」と発言していたので苦笑が漏れた。

蓮舫は語り草になっている「2番じゃいけないンですか?!」という言葉が示すとおり、1番志向のマッチョ男が取りつかれているバブル的発想の盲点を女性的見地(1番でなくても可)から突いて清々しい。
戦前1番を目差して手痛い目に遭いながらも、なまじ経済が復興したばかりにまたまた1番志向に戻って品(ひん)の無い国民に成り下がった日本人に警鐘を鳴らす一言だったと思う。
数少ない女性政治家の代表だと思う。