明治文学史概略?

リアリズムとは? という質問に答える形から、明治文学史を中心に講義することになっている。概略は以下のとおり。
10年代の政治小説の後を受けて20年前後の「小説神髄」「浮雲」のリアリズムの達成があったこと。
20年代半ばには北村透谷・藤村等の『文學界』同人の活躍があり、30年代には逍遥の達成に乗りながら硯友社が彼等なりのリアリズムを開花させた。
しかし「洋装せる江戸文学」という評価が示すように、紅葉等は「近代」文学としては後退している面もあった。
30年代後半からは写生文の運動と、『若菜集』の藤村や『抒情詩』の独歩・花袋等のロマン主義詩人が自然主義小説家に転身とが落ち合う所で、口語体小説が確立した。
ロマン主義の主情性・主我性を引きずりながら、リアリズムであるべき自然主義小説が確立された点に、日本の自然主義の限界あるいは独自性が現れている。なぁんてネ。