卒論発表会

2月6日に開催された3年生全体への催し(明治や大正ゼミはゼミの時間に、昭和ゼミは春合宿で各々がやっているのとは別)。
今年の近代文学分野の発表は、イー君の鏡花論が選ばれた。
1週間も前のことなので覚えているかぎり、そのイー所(美点)は、
1、取っ付きにくい対象である「鏡花」を選んだ蛮勇。
2、鏡花にのめり込む趣味・情熱。
3、論になっていて明快(当たり前のようだが、論にならずに感想に止まるものも例年あるので)。
4、「デウス・エキス・マキナ」等をはじめ、文学研究のための基礎的知識を具えている。
5、分量が比較的多い(160枚)。

マイナスとしては、(美点と裏腹にもなる)
① 鏡花の作品と論文だけに視野が限られている印象は拭えない。他の作家についての優れた論文から学ぶという姿勢があれば、もっと伸びる可能性を感じる。
② 「分身」というテーマそれ自体は古い(魅力のあるテーマながら、ブームは去った感じで可能性は少ない)。
③ 明治文学の専門家である大井田先生からすると、種々不満を覚える論で具体的な指摘もあったが、院でリベンジすればイー。

<下級生への教訓>
イー君は良かったけれど、関谷研究室では「研究法」の成果としてプレ卒論を4月当初に提出するはずだったのに、出せた者が殆どいなかった。
こんな4年生は初めてだったが、副査の大井田先生の評価が極めて厳しかったのと深く関連しているという印象が強い。
A)論じる対象を早く決めて、のめり込むべし!
B)教採や就活が始まる前に(4月までに)プレ卒論を仕上げておくべし!
C)春休みは「休み」にしないで、ヒグラシゼミ等で発表するつもりで取り組むべし!