原爆投下  「映像の世紀」  ベトナム戦争  デモの効用

《原爆投下は戦争犯罪だと私は考える。これを米国人が直視して反省しなければ、再び核兵器を使用する過ちを犯してしまうだろう。》(長谷川毅・米カリフォルニア大学教授)
(『朝日新聞』9月8日「インタビュー」欄より)

まだ仕事は続いているけれど、先日紹介した「映像の世紀」⑨を横目にこれを記している。
アメリカのベトナム爆撃が中心の映像がタップリと映し出されていて吐き気がする。
ケネディ暗殺の黒幕の一人とも言われているジョンソン大統領の下、戦前の日本軍も顔負けのデタラメ報道で自らを正当化しつつ、北ベトナムまで空爆して墓穴を掘り敗北したのは自業自得だった。
悪辣きわまる数々の戦争犯罪を重ねたために、アメリカ国内でも「汚い戦争」と呼ばれて徴兵拒否運動まで誘発し、各地で大勢の反戦デモが起こった結果、アメリカはベトナム軍に敗北して屈辱的に撤退した戦争。
予め知識としては知っていても、ジョンソン・アメリカの卑劣・非道さには吐き気を禁じ得ないほどのリアリティがある。
これを見ればデモ(直接民主主義)の力によって政府の盲目的な行き方に歯止めをかけることが信じられるだろうから、日本の国会を取り囲むデモ隊をテロ呼ばわりしたり(石破茂大臣)、デモで祖父の政権を倒された安倍晋三の先祖返りのようなデモ無視のやり方が許せなくなるだろう。
それにしてもアメリカ軍が「弱小国」のベトナムに負ける姿は、この上無い快感で表現しようがない。
(ジョンソンが大統領を続投できなかったのも、ベトナムの人々の闘いの成果でもある。)
レーニンが革命成就した際に、歓びを抑えきれずに雪上で転げ回ったというエピソードが真実味を持って理解できたものだ。

それはそうと、冒頭に揚げた言葉にはドキッとした。
原爆投下を「戦争犯罪」と言い切った発言は初めてだったから(管見ゆえか)。
確かに「犯罪」だが全く「反省」が欠落しているのがアメリカらしく、その後も数々の「犯罪」をくり返しているのは我々が知るとおり。

原爆と戦争のことを語るとキリなく広がっていくので、今回はこれだけで。
(番組も終ったし。)

@ と記して公表したと思っていたら、勘違いで下書きのままで残っていた。