芥川はやっぱ下手だよ!

珍しく芥川作品。
学生時代に三好行雄の授業で芥川論を聴き、作品以上にずっと面白かったのを忘れない。
文学研究を男子一生の仕事として選ぶ根拠を得た気持だった。
馬齢を重ねるとともに、芥川作品そのものに対する評価は下がるばかり。
優れた研究者が続々現れて解説してくれるので、太宰作品に対する評価が上がるばかりなのと対照的。
芥川論の著書のある高橋博史とは、酔うと時々太宰・芥川優劣論争をしてきたが、今回「一塊の土」を読んで改めて芥川って下手だなぁと思った。
頭で書き過ぎているから無理が露出し(この作品だと末尾のお住の感慨)、唐突で説得力が無いので白々しい。
でも三好行雄の論を読んだら、テクストはつまらなくても<読み>の楽しさは伝わってきた。
2月7日5時限の演習でやるのは、何と芥川(「六の宮の姫君」)!
これも中途半端な作品だけど、興味があったらいらっしゃい!

それにしても作品以上に面白い論を目指す、というのは学生時代からのモットー。
「和解」論はもっとも成功した例と自負している。(そう言えば1日の研究法は、その「和解」論)

来週は来年度の作家決め、全員集合!
アフターは初代ユカチンからの日本酒1升と、チンチンの差し入れの日本の12年もののウィスキーをハイボールでも呑ませます(チョッとモッタイナイけど)。
血を見ない程度で、ほどほどに呑みませう!