前回の横光利一「笑はれた子」の感想

志賀直哉小僧の神様」との関連で論じられるだけの作品だと思っていたので、レジュメもあまり変わり映えの無い感じの予想を立てていたのだけれど、レポが三者三様に予想を裏切る読みを出してきたので、さすがに昭和ゼミのツワモノは違うナ! と感心してしまった。
アナドレナイ!!!  聴いててアドレナリンが湧いてきた!
コイちゃんの、吉少年が酒瓶の数滴を呑むのを現実逃避の傾向だと読んだのは(手許に資料が無いので不正確)奇抜すぎてご愛嬌だったけど笑えた。
今回何より注目されたのは、ユッコリンのユング援用の読み方。
彼女の強い意欲を示して余りあるけど、少々的外れでもあった。
しかし理論を援用するのはいつも危険が伴うので、何事も危険を冒さない限り自分のモノになりにくい。
恥をかくのも恐れず、傷を負うのも恐れずに、新しいモノとの出会いに自分を開いておくことが大事。
ジジババになると、旧来の自分に閉じたままで、新しい刺激を受けないから旧来のツマラナサに止まることになる。