【状況への失言】宇都宮大学の(留学生などの)除籍問題  

 前から耳にしていたけれど、今日(16日)の東京新聞を読んでかなり全貌が伝わってきた思いだネ。《授業料を免除しすぎたフィリピン国籍の女子学生に対して、大学が「44万円を3週間以内に払わねば除籍とする」と通告した》という問題だ。未納が発生した学生を除籍にするまでの期間は大学ごとに異なるそうで、宇都宮大学では分割払いが認められたり・特別な事情が認められた場合には除籍が猶予される学則がありながらも、いずれも発動されなかったとのこと。文科大臣からも大学に対して「指導」がありながらも、大学側は規定どおりの措置を急いだようだ。

 学大に異動する以前の10年間勤務した大学だけど、大学側がそこまで不合理なことをした記憶はないナ。学長は田舎の大学によく見かけるとおりで、トップになりたがる俗物ばかりで(学大に異動する頃の菅野長右ェ門さんだけはリッパな人格だったけど)歴代の学長を心中で軽蔑していたものだネ。学長の責任じゃなかろうが、ボクが赴任した時に校門に「〇〇(学生の名前)は立ち入りを禁ず」と貼りだされたいたのでヒドイ大学に来てしまったかも」と心配したのを忘れない。教育をするはずの大学が、一部の学生に対する教育を放棄して排除するとは何事か? 教員の自己否定じゃないかとは思ったものの、事情を知らない新任教員が騒いでもムダと諦めたものだ。

 しばらくして先任の教員に聞いたら、学生運動を放置していた教員にアイソ尽かしをした事務員の上層が勝手にやったとのことで、そこまで「活躍」した事務員は出世して後に筑波大に移ったそうだ。今回の除籍処分を急いだのもこうした事務員じゃないか、とボクは疑っている。規則どおりに(あるいは規則以上に厳格に)やればマジメに仕事をやっていることになると思い込んでいる人たちネ。宇大在職中に韓国の民間機が間違ってソビエト領空(朝鮮半島の北辺)に侵入したら、ソ連機に撃ち落されて何百人が死んだという事件があった。中央からかけ離れたソ連の果てに勤務する空軍兵士がマジメに仕事をこなしたと思ったように、宇都宮大の事務員も同じ思いで学生運動の活動家の名前を校門に貼りだして排除しようとしたり、除籍処分を急いだのだろネ。

 

 宇大在職中に、むやみに学生を処分したがる教員に教授会で反対意見を述べて処分を諦めさせたことは、昔ブログに記したのでくりかえさない。くり返しておきたいのは、就職紹介の会社員であるユウ君情報によれば、宇都宮大学の学生は全国のトップスリーに入るくらい企業の評判・評価が良いとのこと。そんな学生が授業料を溜めたくらいで除籍にならないことを祈るのみ。