国分寺の古書店  おススメ本が100円で!  斎藤環  茂木健一郎  木邨雅文

今日は1月に1度の内科通いで国分寺に行ったけど、この数日風邪なのか咳が3日ほど続いた後で喉も少々痛むので、他人にうつしては申し訳ないので学大には寄らなかった。
その分時間の余裕ができたので、北口を出て150mほど真っすぐに行った左側の小さな古書店(3度は名前を聞かされたのに覚えられない)を覗いたら、外の棚でたくさんのイイ本が100円均一で並んでいたので喜んで3冊買ってしまった。
斎藤環茂木健一郎の文庫本各1冊と、匠秀夫編『異端の画家たち』という古い単行本を1冊。
斎藤さんはひきこもり専門の精神科医として知られているけれど、現代文学に関しては実に幅広くフォローしていて驚かされる人だが、『心理学化する社会』という河出文庫
茂木健一郎クオリアで売れて受けてウハウハ入ったカネの税金逃れをしたために、暫くホサレたことがある人間としては卑しいヤツながら、小林秀雄坂口安吾について語っているので『脳のなかの文学』という文春文庫をゲットしてきた。
『異端の画家たち』は昭和58年に出た本だけど、7人の人が10人の画家たちについて語っている。
長谷川利行・村山槐多・関根正二三岸好太郎と最初の4人のライン・アップを見るだけでワクワクするけれど、出版された当時なら全然知らない画家ばかりだったかもしれない。
今ではそれぞれの画風や人生を思い浮かべることができるし(特に国立近代美術館(竹橋)の常設館で観た関根の作品の印象は鮮烈)、4人以外では靉光あいみつ)や松本竣介は特集展覧会を観にいった画家だから、吾ながらかつての自分とは隔世の感である。
昭和40年代は大学入学時のクラスメートである故・木邨雅史に連れられ、当時はあまり注目されていなかった歌川国芳などを観に行ったものだけれど、木邨も卒業した後の50年代は院に進学したせいもあって、美術館に行った記憶が少ない。
せいぜいお好みのビュッフェ・ムンク棟方志功だけは1人で観に行ったのは覚えている程度。
時代は江戸ながら国芳も「異端の画家」に違いないけれど、木邨の導きが無ければ放浪の画家・長谷川利行(なんでも鑑定団で発見・保証された作品を観たことがあったけど、数百万だったかな)を始めとする画家たちについて無知のまま終わっただろう。
病気じゃ仕方ないけど、木邨を失ったことが無念でならない。

ともあれこの古書店には少なからぬ漱石(研究書も)・詩歌関係・中上健次はおろか、山口昌男吉本隆明などの貴重な本が全部100円で売っているから早い者勝ちで行くことをおススメします。
国立にも谷川書店というイイ古書店があったのだけれど、2年前くらいに名物店主が亡くなってから通える本屋が無くなってしまった。