ティク・ナット・ハン  「こころの時代」(Eテレ)  相互共存

こころの時代という番組はだいたい辛気臭い話が多いので無視しているけれど、先日偶然見かけたのは面白くて(途中から)最後まで見通してしまった(番組自体はアーカイブ)。
ティク氏の名は初耳だったけど、ベトナム仏教徒で「インター・ビーイング(相互共存)」を主張しているとっても偉い人、という印象。
キング牧師の生前、共に世界に向けて「インター・ビーイング」を発信していたそうだ。
(そのキング師も暗殺されてしまったのだから、アメリカというのは粗末な国だ。
と書いてすぐに想起したのは、浜口雄幸(おさち)や左翼政治家多数が暗殺されたヒドイ国だったこと、忘れまい!)
ベトナム仏教徒というと、ボク等の世代はすぐにアメリカが支援した南ベトナムの傀儡(かいらい)政権に抗議して焼身自殺した人たちを思い出すけれど、ティク氏も当然弾圧を経験したという。
興味を惹かれたのは、アメリカ軍を完敗させた社会主義政権からも弾圧されたということ。
悪事のやりたい放題を尽くしたアメリカを放逐して、ベトナムが統一された時代に立ち会えたのは我が人生の最大の喜びの1つだったから、そこからも排除されたのが気になった。
ティクさんはベトナム統一以前から北ベトナム社会主義政権も容認していたために、戦後の政権から不信感を抱かれたために亡命せざるをえなかったそうだ。
それはともかく肝心なのは「インター・ビーイング」という共存の思想だ。
冷戦の終結後しばらくはEUのように共存が志向されたが続いたと思うけど、今はそのEUに亀裂が入りつつあるように逆の流れになっていると思う。
イスラム原理派に典型されるような、敵か味方かという二分法が世界を覆っている中で、「相互共存」という理想が忘れられつつあるようだ。
詳しくは土曜昼1時からの第2部をぜひ見て下さい。
(ボクが見た第1部は日曜朝の再放送だったので、オンデマンドとかいうので見ることができればいいのだけれど。)