中原中也  100分de名著  太田治子  壇一雄「小説 太宰治」

「100分で名著」はたびたび紹介してきたけれど、今は中也を取り上げている。
解説は太田治子、太宰の「庶子」というのかな、「斜陽」の女として知られる太田静子さんの娘さんが、中也の解説をするという取り合わせだけでも面白い。
「治子」さんの父である「治」が生前苦手としていたのが中也だったというのは、太宰と中也の両方と同時代を生きた山岸外史(がいし)や壇一雄の書いたものにオモシロく語られている。
太宰と一緒に玉の井(私娼のいた所、浅草から3つ目くらいの駅名は変更された)に通ったのもこの2人。
ともあれ太宰は中也を敬しながらも苦手にしていたのは、2人の証言のとおりだろう。
治子さんの解説は不安を感じていたけれど、表層程度の内容なので大丈夫、専門的なことになると佐々木幹郎さんが補足しているから問題無しのおススメ番組。
朗読はまずまずだけど、ファンが多い詩人だと各自が己の朗読を心中に響かせているので、それに合った読み方で満足させることができる朗読はあり得ないから拘るだけ無駄。
まだ第3・4回が残っているヨ。1・2回もいずれ再放送されるだろうけど。

生誕100年記念だそうで、他にも中也を取り上げる番組がある。
明日18日のNHKBS夜10時から「朗読屋」というドラマがあり、中也の詩を朗読する人間を吉岡秀隆(寅さんの甥を演じた役者)が演じているけど、朗読はやはりピンとこない。


@ 上に紹介した檀一雄の若き日の交遊録である「小説 太宰治」はメチャクチャ面白いから、ぜひ読むことをおススメします! 文庫版も出ていたと思う。
  中也のみならず、草野心平なども出てきてハチャメチャなことをするから、心底笑える。