【読む】『江戸の絵本読解マニュアル』  草双紙が身近に

 「子供から大人まで楽しんだ草双紙の読み方」という副題(?)を持つ本を「叢の会」が刊行した(「文学通信」より、2100円+税)。叢の会と言えば、オヤジさん(故・小池正胤先生)が始めて黒石陽子先生などそのお弟子さんたちが受け継ぎ発展させた同人研究グループで、その成果をまとめた研究誌を長期間にわたって出し続けた着実さは忘れ難い。

 本書は副題のとおりで毎ページに草双紙特有の絵が大小印刷されているのを楽しみながら、解説で知見を広めることができる。これも草双紙特有の(江戸期芸術特有の)パロディが面白く、桃太郎や花咲爺から始まり源氏物語和泉式部などまで愉快にヒネられている。手もとに置いてニヤニヤしながら見識を高めて欲しいネ、おススメ!