太宰(松本和也)の後はチョッと安吾(押野武志)

 難しいテクストの後は易しすぎる感じの「思ひ出」でしたが、松本氏の論文がチョッと難しかったかも。それでもレポ二人とも何とか要約はできていたので良かったものの、易しいテクストがかえって読むのに困難を覚えたようです。先行研究に縛られて、言うことが見出せなかったということか。松本和也氏にこれまでのレジュメを渡そうと19日の昭和文学会への出欠を電話で問い合わせようと思ったのですが、繋がりませんでした。
 来週で松本太宰は終わって、次ぎに何にするか迷いに迷っていたのですが、一冊のテキストに拘らないことにしたら直ぐに決まりました。テキストの候補だった押野氏の『文学の権能』から安吾論を取り上げますが、太宰の「十二月八日」という作品も絡んでいるのでまだ太宰は精算できません。押野氏は話題になった『童貞としての宮沢賢治』(ちくま新書)で知っている人もあるかと思いますが、大変優れた研究者です。北大の先生ですが、学大から北大の院に進学した大川クンの先生でもあります。この本には賢治論も入ってますが、賢治は一橋大院でも取り上げる予定なので、多分学大の授業では取り上げないでしょう(菊池寛の場合は学大が学部授業だったので可能)。