試験の採点結果報告

1年生の必修である近代文学概論は、昨年度までは拙著『シドク』の「和解」論を中心にやってきたのだけれど、今年度は明治から昭和までの小説のアンソロジーをテキストに講義しました。
たくさんの文学テクストを読む楽しみを味わってもらいつつ、文学研究の基礎を身に付けてもらうのがネライでした。
しかし半年でやるしかない上に、テキストが初めての試みだったので、さらに節電のために2週間も早く授業を打ち切られたために(メチャクチャじゃ!)、思うような授業ができなかったのはまことに遺憾でした。
試験の結果が何よりもその不十分さを示したと、いう印象です。
100名受講者がいても、落としたのは5名以下という試験・採点をやってきましたが、今回は一挙に10名超を落とさざるをえませんでした(ゲタを履かせて人命救助に努めたんだけど)。
それでも100点満点で100点以上が3名出たのですから(名答には満点以上付けるので)、試験結果が良くないのは当方だけの責任ではなさそうです。
最高点の模範解答は、匿名にして研究室の廊下に貼りだしてあるので、自己採点の資料にして下さい。
昨年度担当してもらった非常勤講師の「概論」がユル〜イものだったので、今年もユル〜イものと思い込んで受講したヒトが多かったのかもしれません。
中くらいの成績で合格した答案の末尾に「まだまだ、文学に対する知識が少なすぎるので、これからたくさんの本を読み、この4年間しっかりと学習したいと、このテストを受けてすごく思いました。」と付してあった感想に励まされながら、秋学期の文学史では春学期の不備を補いたいと思っています。幸い同じテキストなので。