高見順「過程的」

つくづくツマラナイ作品で、レポがなぜ取り上げたのかサッパリ分からない。
でも議論を聞いていたら結構ツッコミ所があって、面白く聴けたのは良かった。
レポの一人であるイイダ姫は卒論に繋がる発表内容で収穫があったようで何より。
サットマンはお付き合いでレポを引き受けたそうながら、よくできたレジュメで議論を誘った。
ツマラナイのは文壇向けの作品だからで、フツーのヒトには全くオモシロくもないダメ作品。
悩めるインテリの姿を作家自身に重ねて表白すると評価されるのが、当時の文壇の状況。
順が私小説的告白のツマラヌものを書いたのも、そのため。
そんな文壇が今や解体したのは何より。
「過程的」を読んで順はこんなもの、と思われては迷惑だから、「故旧忘れ得べき」「いやな感じ」を是非読んで欲しい。
来週は岡本かの子「家霊」。