梶井「闇の絵巻」  次回は横光「機械」

「闇の絵巻」はファンが少なくないのも分かる面白さがある。
個人的には、<自己の輪郭>が溶ける不安と快感の両義性が「闇」を使って絶妙に表現されているので、注目している作品。
レジュメはコーダ君・ドコー君とも議論を誘発する力を具えたもの。
ただしドコー君の、テクスト自体が絵巻だという読みは斬新ではあるものの、説得力がイマイチ。
美術と文学という差異の大きなジャンルのものを、同じ霧・霞・雲などという視覚的なイメージで繋げるのは無理がありそう。
次回は昭和初年代のトップクラスの作品である「機械」、同時代の小林秀雄と同じく、ボクも豪いショックを受けたものだ。
ただ論じるのは難しいだろうナ。