オダサク「蛍」  次回は川端の「たまゆら」  「神の視点」だって?

午前中から会議に駆り出されたせいか眠い一日だったものの、昭和ゼミに行ったらクリマン師範代がレポを突っ込んでいて、聞き始めたら引き込まれた。
センちゃんのレジュメは予めもらっていた(すべてのレジュメはそうありたい)ので半分以上は読んであったけど、他の二人のそれぞれが学年を代表して意欲的なレジュメを提出していて刺激的だったせいだろう。
センちゃんは院生らしいソツの無いレジュメながら、オダサクなら語りについて一言はありたい。
マンジュはさすがにヤル気マンマンのようで語りの分析もあったが、「神の視点」という理解は誤解が過ぎる。
オダサクは高見順や太宰と共に絶妙な<説話体>で読ませる作家で、3人それぞれの身体性が明確な語りの手口を味わって欲しい。
会話に「  」が無いから登場人物のナマの声ではなく、語り手の声を通してしか伝えられないようになっている点で落語に対比される。
伊助の視覚・登勢の聴覚が共に過剰さにおいて共通するのをどう読むか、言及して欲しかったところ。
赤ん坊の声と薩摩浪士の声をつなげてしまう美意識は、登勢というより語り手の強引さに見えてしまうが、久々に「蛍」を読んだらオダサクの全集を買おうかなという気にもなった。
オダサクを取り上げてくれたゼミに感謝!
次回は川端の「たまゆら」だけれど、同名のテクストが3種残されているそうだから間違わないように注意!
1年生の井上くんのデビューだそうなので注目!