18日は「安井夫人」

個人的には鷗外の作品中、一番好きなものだったのは佐代という女性像にマイッていたからです。
(祖母の名前がサヨだったせいもあるかな?)
だから身近な友人が娘にさよという名を付けたのも、すごく共感できました。
でもあんな女性は鷗外にとっても「見果てぬ夢」だったのだとは、自分が結婚して痛苦と共に実感しました。
「じいさんばあさん」も同様に大好きな作品で、編集委員をしている桐原書店の教科書に収録したこともありますが、「夢」を捨てきれぬ男性にお勧めします。
(お断りしておきますが、前述のさよちゃんのお母さんは現代の安井佐代と言うべき女性で、ダラシナイ旦那である友人にはもったいない人です。)

亀井志乃さんという実力ある若手の研究者がいますが、お父様(亀井秀雄氏は前橋高校の大先輩で、桐原教科書の編集者)が三浦哲郎忍ぶ川」のヒロインを意識して命名されたのか、聞きそびれています。
というのも、サヨとシノは私の理想的女性像の名前では双璧だからです。
忍ぶ川」(芥川賞受賞)を未読のヒトは、この際ぜひ一読下さい。