ザンデルリンク  ブルックナー  「ロマンティック」

釣りから帰った日曜夜は、疲れていたけれどテレビで「N響コンサート」を聴きながらブログを記していた。
大歓迎の常任指揮者パーヴォ・ヤルヴィではなかったけれど、個人的にはもっとも重要な作曲家であるブルックナーの曲だったからだ。
第4番「ロマンティック」は親しみやすく(第1・3楽章)、したがって飽きやすい曲で、崇敬するクナッパーツブッシュのレコードも学生時代に買って以来、1度も感心したことがない。
それでも久しぶりに聴くと良く思えるだろうし、指揮者がミヒャエル・ザンデルリンクだというので最初だけでも聴こうという気持になった。
たぶんクルトとかいうそれなりに知られた指揮者の息子だろうと思ったとおりだったけれど、親父の方の指揮はほとんど印象が残っていない。
チャイコフスキーなどロシアものが得意な指揮者だったかもしれないが、大木正興も言ってたようにロシアの指揮者のブルックナーもバカにできないという感想を持った。
とはいえザンデルリンクはロシア人じゃないようだけれど、ボクの中でのイメージがロシアにつながってしまっているので仕方ない。
ロシア(正確にはソ連)で最高の指揮者であるムラビンスキ―(ショスタコービチは回想録でひどく嫌っていたけれど)のブルックナーのレコードは気に入って何度も聴いたものだけれど(今はプレイヤーが故障中)、ミヒャエルの第4番もけっこうイイ演奏だった。
N響の頑張りもあるだろうけれど、最後まで飽きることなく聴けたのは指揮者の力が大きいと思った。
ミヒャエルはドレスデン・フィル(ドレスデン・シュターツカペレとは別で、一段評価が低い楽団)の常任だと紹介されていたと思うけれど、この楽団はブルックナーの演奏にかけてはシュターツカペレに引けをとらないという印象を持っている。
ドレスデン・フィルは、定時制高校の頃に教員仲間と第9番(この曲の第3楽章を聴きながら死にたい!)を聴いたけれど、期待をはるかに超えた感動を覚えたものだ。
残念ながらその時の指揮者が思い出せないけれど(夫人に弾かせたモーツァルトの協奏曲は詐欺同然のヒドイものだったけど)、ブルックナーの演奏は素晴らしかった。
大木さんもラジオで「あの演奏は何かをやろうとした(あるいは「やった」)と思う」と絶賛していたのを覚えている。
ともあれヤルヴィはブルックナーを振らないと思うので、ザンデルリンクも客演も大歓迎だ。