(9日の記事)
放送大の日本美術史をおススメして自分でも観ているけれど(和歌は見なかった)、今日の第9回で佐藤講師が長谷川等伯の傑作「松竹図屏風」は下書きだったかもしれないという説を支持していたので佐藤さんが信用できなくなった。
日本美術の中で一番衝撃を与えられた作品なので、実物も観て改めて感動した自分の眼を信じたい。
例え下書きであったとしても、色付けされたり金箔を貼られた本図(というのがあったとしても)よりは美術的な価値はずっと高いと確信している。
それはともかくとして、実は日本画よりは西洋画の方が好きなのはしかたない。
先日のN響アワーでR・シュトラウス「サロメ」を原作の訳(文庫本)を見ながら聴いて感銘を受けたので、以前買っておいた『サロメ――永遠の妖女』(山川鴻三著・新潮選書)を探し出してきてヨダレが出そうだった。
サロメとくればビアズリーの版画は誰でも見たことはあるだろうし、モローの絵画も「出現」が有名だから知ってるヒトもいることだろう。
(続き・10日の記事)
でも絵画だけみてもクリムト・ルドン・マティス・ムンクなど有名どころのみならず、大好きなパスキン(以前この欄で紹介したことあり)もサロメを描いているのを知ってビックリ喜んだ。
文学ではフロベールの「三つの物語」はいつか読もうと楽しみにしていた作品だけれど、その中の「ヘロディアス」が名前のとおりにサロメものなのだネ。
大学3年目から5年間くらい大きな塾で中2生に英語を教えていた時に、後の日本有数のブレイク研究者・大熊昭信に出会ったのだけれど、彼がその頃楽しそうにフロベール「感情教育」を読んでいた姿が忘れられない。
それ以来、自分でも読もうと思いながらもドストエフスキーに捉えられてしまい、なかなかフランス文学へは向かえなかったままだ。
「感情教育」は長すぎるから「三つの物語」をすぐ読むことにしよう。
音楽ではベルクの「ルル」もサロメものに括られるようで、オペラもストレート・プレイ(演劇)も両方録画があるから改めて観る(聴く)のが楽しみ!
退職者冥利に尽きるなァ〜、働く皆さん、ごめんなさい!
(ご存じのとおりジャミラから冷たい視線や罵声を浴びせられながらの時間だから、幸せ一方ではないのをお忘れなく!)
@ 2(3)月にクリマン君が発表希望していた横溝正史「真珠郎」にもヨカナーンの首(サロメ)が出てきたので苦笑したヨ。
この発表は学大の行事に重なり続けて実現できなくなりそう。
作品を読みたい人にはpdfを送るのでメール下さい。「ドグラ・マグラ」みたいにワクワクするヨ!