鷲田清一  「折々のことば」  仙崖

言葉に執着するという点で、朝日新聞連載のコラム「折々のことば」で毎日奮闘している鷲田さんには共感を覚えつつ人知れず応援している。
鑑賞文の方はあまり大したこと言えてないけれど、発見された言葉が「折々」面白いのがある(ツマラナイのもけっこうあるけど、毎日はキツイので仕方ない)。
例えば4月23日の仙崖、「よしあしの中を流れて清水哉(かな)」という句。
「葦」は「あし」とも「よし」とも読むので、それを「良し悪(あ)し」に掛けたところが面白い。
仙崖は7・8年前かな、展覧会に行ったのを覚えている。
鷲田さんも触れている「○△□」とだけ描いた不思議な作品も記憶にある。
なぜ仙崖かというのも忘れてない。
家を出た時は滝口修造展に行くつもりだったのだけれど、持参したチラシを見たら澁澤龍彦展の案内だったので慌てて行き先を変更(シブサワ・ファンのアイ〜ンには申し訳ないながら)。
駅に着いた時には仙崖展に行くことに決めていたのだと思う(有楽町だったかな)。
期待を裏切ることなく十分に楽しめた。
鷲田さんは仙崖の句を、「清がすぐ濁に染まり、裏返る世間のはざまを、清きままに生きることの険しさと尊さを詠む。」とパラフレーズしている。
舛添「痴事」には「清きままに生きる」ことなど、ハナから意図していないのだろうナ、汚(けが)らわしい限り!