慰安婦像は歓迎すべし!  放送大学「人格心理学」  ルワンダの《和解》

今日の放送大学「人格心理学」第14回(木曜朝9時〜)は、「人格と存在」というテーマだった。
全15回、大山泰宏さんが担当していて、全てとても有意義な話を聴けるのでおススメ(数ケ月後にまた再放送されるはず)。
いきなり見るたびに不愉快になるヒットラーの演説姿が映し出されたから何ごとかと思ったら、アーリア系を美化したヒットラーの人種政策問題を振り返るところから始まったわけだった。
そこから話がルワンダの大虐殺に移り、旧主国のイギリスが頭部の角度などをナチが行ったように実行し、その結果ルワンダの2大民族の中の少数派であるツチ族(後頭部が出張っていてアーリア系に類似?)が多数派のフツ族よりも優れた民族だ、と規定して優遇したのがそもそもの虐殺の素因だった。
その結果としてヒットラーユダヤ人大虐殺に並ぶ、100万人近くの民族大虐殺が歴史に残った次第。


これは前振りで、年末のNHKBSテレビ(番組名は不詳)で、このルワンダの虐殺《その後》の和解を模索する日本人の努力が取材されていたのが印象的で忘れられない。
殺した側と殺された側が共に村に戻り、一緒に働いている姿が映されたけれど、家族を殺された側の心中では殺した側を許しきれてはいない胸の内が明かされていた。
両者が幼馴染みの例が取り上げられていたけれど、日常的には平和に共存しているように見えながらも、間に入った日本人には本音を語っていたのだ。
日本人はその許せない本音を時間をかけて相手に直接語りかけさせることによって歩み寄りを図っていたのだけれど、困難なのは言うまでもない。
見ていて考えたのは、韓国の慰安婦問題だった。
韓国が国内だけでなく世界各地に慰安婦像を設置する執念深さには理解を超えるものを感じてしまうものの、被害を受けた側に立って考えれば簡単に否定できるものではない。
日本側としては何とかカネで解決できたと思っているけれど、カネで解決しきれぬものが残るのは当たり前だろう。
韓国特有の、前の政権(パク・クネ)に対する反発も重なり、日韓合意を反故にしたい一心で慰安婦像の設置に励むのだろう。
韓国特有といえば、日本を遥かに超えるポピュリズム大衆迎合主義)の強烈さも、権力側がすぐに反日感情を煽(あお)ることで政権維持を図ることも、日韓友好を阻害しているのも確か。
いつもほとんど賛同できる矢代英輝さんが、「韓国側の主張は理解できない」と切り捨てていたのに必ずしも同意できなかったのは、ルワンダで家族を幼馴染みに殺された女性(自身も頬に大きな刀傷が残っている)の気持を思い出したからだ。
隣国の韓国(人)に対してくり返し許し難い侮辱を加え続けた日本(人)の側が、勝手に日韓の問題は片付いたと思い込んではならないだろう。
カネをいくら積んでも片付くはずもないのも当然。
それで気が済むなら、韓国は世界中に慰安婦像を配置すればいいだろう。
アジアに対する日本の専制支配に加担した戦犯・岸信介の血を引く安倍晋三を首相に戴く日本人が過ちをくり返さないためにも、日本(人)が犯した過去の犯罪の視覚化である慰安婦像は歓迎することはあっても撤去してはなるまい。
ドイツではいち早くナチの犯罪を記念館などに視覚化することにより、クロ歴史をくり返さないように図っていたことを想起すべきだろう。
日本でも原爆記念館や第五福竜丸の例もあるではないか。
オバマが原爆記念館を訪れた気持をもって日本人は慰安婦像に向かえば良いのだ。
トランプなら原爆記念館に訪れることもなかろう、自分(自国)の犯罪など無かったものにする無恥なジコチュウ男のマネをしてはなるまい。
慰安婦像は我々日本人のためにあると考えるゆとりこそ、日韓友好の基になるだろう。