【状況への失言】小池百合子は「無責任な興行師」  佐伯啓思「異論のススメ」

 『シドクⅡ』にまつわる諸事が一段落したので、最近は余裕があると、自家のあちこちに溜まっているコピーやら新聞の切り抜きやら手紙やらを整理している。新聞など読み始めると止まらなくなるのでスルーしつつ分類してまとめているけれど、『朝日新聞』で連載している佐伯啓思さんの「異論のススメ」に「小池劇場の意味するもの」という副題を見たら、つい読んでしまった。佐伯さんは保守的思想家というイメージの人ながら、朝日がバランスを取るためにか彼に月一のペースで意見を書かせているのは、とても良い判断であり佐伯さんもそれに十分応えていると思う。

 記事は2017年10月6日のもので、同じ面には作家の中村文明が「総選挙 日本の岐路」という表題で寄稿していて、これはハッキリ安倍政権を支持する勢力を批判していて気持良い。佐伯さんも、総選挙がらみで民進党が小池・希望の党に吸収されたブザマな様に触れながら、

 《この間、メディアをほどんど意のままに動かして話題を独占した小池百合子氏の、いってみれば無責任な興行師のような荒業には驚くべきものがあろう。》

と記している。悪質きわまる小池百合子の本性を、見事に言い当てた「無責任な興行師」には脱帽だネ。他人を出し抜いてでも、自分がもうかればいいというジコチュウの典型である小池のお蔭で、野党が分裂して力を失い、都議会で小池のために働き続けた某議員も切り捨てられたあげく、維新の党に野合吸収されるという悲喜劇を演じた。群馬県出身なので口にするのも恥ずかしい中曽根康弘(まだ死なないのだっけ?)が「政界の風見鶏」と言われた以上に、小池百合子は次々を政党を渡り歩きながら人を裏切り・切り捨ててきた極悪人だ。

 中曽根が自民党内の勢力の範囲で風向きを探り続けたのに比し、小池は自民党を含めてその時々の優勢な方に身を寄せ・利用し続けてきたわけだ。他人のことなど無視して「無責任」に己の利益だけを追求してきた、まさに悪徳「興行師」というほかない。都民の命を守るために、政府に非常事態宣言を促したようなことを言っているものの、内心では他人の命などまったく考えることもなく、都知事の地位を確保するための「興業」を続けているだけだ。

 小泉純一郎小池百合子に利用された1人で今もその関係が続いているようながら、小泉には原発の害悪から人類を守らなければならないという考えが保持されている。その点だけは小泉純一郎というニンゲンを信用しても良いだろうが、小池百合子にはニンゲンとして信用できる点が全然見つからない。まさに非道な「興行師」でしかない、佐伯さんの人を見る目の鋭さと、本質を突いた比類ない言葉の選び方に脱帽!