【聴く・見る】亀山郁夫さんの「悲愴」感想  「魚が食べたい!」  ぼる塾(お笑い芸人)

 朝日新聞の今日の文化欄には《ウィーン・フィル「悲愴」の中の美》という見出しで、何と亀山郁夫さんが感想を寄せている。最近朝日には「寄稿」という記事が目立つのだけど、これも文字どおり依頼ではなく亀山さんが寄稿したものなのかな? だとすると意外に自信家で目立ちたがり屋ということになるので、イメージを裏切るよネ。指揮者がロシアのゲルギエフだから依頼されたのかな? いま気付いてみれば、記事の前に記者から亀山さんには「チャイコフスキーがなぜか好き」という書も出しているとのこと(絶対読みたくないけど)。

 いずれにしろドストエフスキーの新訳で有名になった亀山さんが、音楽の感想(とても批評にはなってないので)を書いているので驚いた。ウィーン・フィルの実演を聴いたのだそうで、全員マスク姿(さすがに管楽器は別だろう)で感銘を受けたとのこと。チャイコの「ロココの主題による変奏曲」を聴いた感想が、ソロの《チェリスト堤剛は童心に帰ったかのように、片時も集中力を切らすことなく全曲を弾き切った。》というのだから、「感想」の域を出ないのが通じるだろう。学生時代から日本最高の音楽評論家である故・吉田秀和のラジオ番組から全てと言っていいくらいを教えてもらい、吉田全集の通読を老後の楽しみにしているボクとしては、亀山さんの寄稿をとても批評などとは言えないのだナ。

 それでも2曲目のプロコフィエフのP協2番については、《アバンギャルド芸術の清華ともいうべき難曲だ》というのはその通りだし、ピアノのマツーエフが《19世紀の貴族文化が、近代的知性と反キリスト教的な野蛮な力によって切り裂かれていくさまを浮き彫りにした。》と、アバンギャルド芸術の専門家らしいことを書いている。実は亀山さんはドストではなくロシア・アバンギャルドの専門家なので、以前その画家たちが残した美術を特集した番組を録画してあるけど、ドストについても翻訳のみならず啓蒙的な解説が分かりやすくてスゴイ。でもドスト理解に関しては、我が友人のドスト専門家・望月哲男さんに一目置いているのが、以前2人の対談を読んだら伝わってきたナ。

 「悲愴」についての亀山さんの感想は気恥ずかしくて紹介できないけど、ゲルギエフチェチェン紛争がらみのテロで親族を失っていたというのは知らなかったネ。もう1つ、亀山さんがチャイコの死因をコレラだと断言しているので間違いだと気付いたものの、一時期はゲイだというのがバレて自殺したという説が支持されていたのが、今ではコレラ説の方が強くなっているようだ。検索したら「事実は闇の中」とあった。

 シューベルトボードレールと同じく梅毒だったという説は、否定されていないようだけど、だから何なンだということだよネ。

 

@ これを記しながらBS朝日の「魚が食べたい!」という番組を見ていた。魚好き・釣り好きは絶対見るべきもので、今日は3回か4回目くらいだけど、ボクは偶然初回から見ている。釣り女のアッちゃんからメールで勧められたのだけど、その前に知っていた素晴らしい番組だ。釣り部のメンバーに伝えたかどうか、・・・覚えてない。

 今は以前も紹介したEテレの「ヘウレーカ」を見ながら記している。今日は「同調圧力・空気を読む」がテーマでおススメ(再放送あり)だけど、ぼる塾(女子3人のお笑い芸人)がゲストで笑える。ぼる塾は女子芸人は長続きしないという例に洩れないと思っていたけれど、予想外にウケ続けているネ。うるさいだけのブス・フワちゃんは早く消えて欲しいのだけどネ。