【見る】100分 de 名著  ブルデュー「ディスタンクシオン」  浅野智彦『自己への物語的接近』

 昨日、ブログで「100分で名著」の情報を流したと思っていたら、途中まで書いたまま放置して勘違いしていた。フランスの社会学者でボクにも馴染みがないけれど、蓮實重彦さんが言及していた記憶もあってマークしていた思想家なので、月曜夜に見たヨ。常識だと思って好い「ハビタス」という概念はじめ、見ておいた方がイイ特集なのでおススメです。第1回は「ディスタンクシオン」(英語ではディスティンクション)で初耳だったけど、見ないと分かりにくいから見ておくれ。と言っても再放送は今日(水曜)の午前6時と昼の12時だから、昼の番組を見るほかないネ、ゴメン!

 前回の「伊勢物語」が個人的には面白さを感じなかったこともあり、その次ぎが分からなかったので情報が遅れてしまった。でも釣り部でもイヤラシとアマッチがこの番組について話しているのを傍で聞いたこともあるので、情報流すまでもなく自発的に見ている人が多いと思いたい。

 

 先日のナオさんからのメールで、ボクがこのところハマっているオルテガについて、中島岳志さんが以前「100分で名著」(Eテレ)で講義したことがあったと教えられた。ボクも見たはずなのに、テレビ番組については忘れていたナ。ナオさんはその時のテキストを持っているそうなので、ボクも今回のブルデューはほぼ未知の思想家だからテキストを買いに行こうと考えている。今日見ることができなかった人も、今回の分だけを本屋で立ち読みして次回につなげるとイイね。

 

 自家にはブルデューの『芸術の規則 Ⅰ』(藤原書店)があり、自分で買った記憶がないから亡きミっちゃん(北村倫子=ヒッキ―先生と共に、ボクの昭和文学会・会務委員長時代を支えてくれて女子)の本をご遺族から贈られた中に入っていたものと考えられる。「序」だけ読んだけど、むやみと文学を外から(社会学的立場から)分析することを強調するあまり、ガダマーまでヤリ玉に上げられている。先日ユウ君の手をわずらわせて学大現職の社会学者・浅野智彦『自己への物語論的接近』(勁草書房)をゲットして読み始めたところなのだけれど、表題にも明らかなようにとても文学的であるのがブルデューと正反対なので興味深かったネ。

 ブルデューの本にはフローベル「感情教育」論が収録されているので楽しみなものの、「序」を読む限りでは期待できないナ。浅野さんの本があまりに面白いせいかも。同僚の社会学者・野口裕二『ナラティヴと共同性』(青土社)も一部しか読んでないので、浅野さんの刺激に釣られて読み返そうと考えている。