【ゼミ部】ナマ参加7名、オンライン参加9名で盛り上がる

 ヒッキ―研究室に入りきれないので、アフター目当てだったボッチは別室で本来の勉強(文学には無関心?)をしながら控えてもらい、ナマ参加6名とオンラインは宮城や栃木からも含めて9名という規模で質量ともに充実したゼミだった。

 クリマン君の発表も刺激的で面白かったので、質疑応答も高いレベルで進行した。発表は昭和初期ころの相対性理論ブームによる知のパラダイム・チャンジを跡付けながら、当時の文学者たちの反応を例示しつつ乱歩の作品を位置付けた。詳細は論文化して投稿する予定なのでここでは言えないけれど、今までも聞いたことのある発想のようでいながらも、説得力をもって伝わってきたのは初めてだった。クリマン君が相対性理論とその波及について、十分な理解を踏まえた上での展開だったからだろう。

 個人的には相対性理論と不確定理論の異同がよく分からなかったのだけれど、後者の日本移入は前者より数年遅れたとの説明を受けて納得できた。クリマン、勉強してるナという感じだったネ。もう1つ、乱歩の自己認識と世間の乱歩像の齟齬(そご=食い違い)を知らなかったので、その詳しい説明をしてもらったお蔭で発表の主旨が理解できた。以前ヒグラシで発表してもらったことなのに、忘れていたのは乱歩に対する関心の薄さを証明しているようなものだネ。それにしても乱歩というヒトはメンドクサイ人だったのだネ。

 課題は新しい知のパラダイムとテクストとの接合だけど(中川成美さんの論もそこがゆる過ぎた)、今回はゼミがやりやすいように「鏡地獄」に限定したのかもしれないものの、複数のテクストに接合するものが探せれば説得力を増すと思われた。その種のテクストがあるようなので、期待しながら論文化を待ちたい。

 前回参加のブッチが欠席した代わりに(?)学部生2人が参加したけれど、ブッチ同様に理解力があったので驚いた。昭和ゼミには優秀な学生が集まるようだ。ヒッキ―先生のお蔭かな?