【状況への失言】アメリカの末期的症状?  ホワイト・プア(劣等白人)のコンプレックス

 アホなことばかり書いているとホントにアホかと思われても困るので、久しぶりに世界の状況について。

 

 トランプに煽(あお)られて支持者が議事堂を襲った姿は、世界中の人が「まさか!」とぶったまげたに違いない。だいぶ前に記したけど、戦前のシカゴではギャングに市の政治がのっとられ、首領のアル・カポネが市民に向かって「野郎ども!」と呼びかけたというものの、今のトランプとその支持者は遥かにその上を行く情けない惨状だネ。いつもトランプの背後霊のように立っていた副大統領ペンスが、選挙結果を無視しろというトランプの意向に反してバイデンの勝利を宣言したものだから、支持者がペンスを「裏切り者」呼ばわりして殺そうとまで企んだとのこと。幸いペンスをはじめ議員たちには犠牲が出なかったものの、騒ぎで死者が数人出たのはアメリカ民主主義史上最悪の事態と言えるだろう。

 ここで言いたいのは、議会に乱入したトランプの中に南北戦争時の南軍の旗を掲げた者がいたこと(他にもQアノンなのかイカガワシイ旗もあったけど)。選挙前から南軍のリー将軍のような(南軍の)英雄像を法的に撤去すると決めたり、その他トランプ支持者を挑発するような英雄像破壊行為があったことを想起すべきだろう(イギリスでも似たような破壊が報道されていた)。以前にも指摘したように、歴史を頭ごなしに否定するような行為によって、トランプ支持者たちを不要に刺激してしまったことが、今回議事堂を襲った頭の悪い連中に暴力に奔る名目を与えてしまい、挑発を増幅してしまったのは反省材料として記憶すべきだろう。

 日本で言えば、理由はともあれ西郷隆盛像を破壊するような者がいれば、どんなことが起こるか想像してみれば分かりやすいと思われる。対立・分断が深まるアメリカ社会だからこそ、分断を深めるようなことは控えるべきだったのだ。9・11の大惨事の際に、アホのブッシュが「戦争だ!」と叫んでアメリカ国民を焚(た)きつけて支持率を90%にまで上げたように、アメリカの国民性は軽率なところがあるのは事実。だからこそ無駄な刺激・挑発は抑えるべきだったのだ。

 

 トランプがオバマ・ケアをはじめオバマの業績を全面的に否定しようとしていたので呆れていたものの、政治家として・人間として劣るという個人的なコンプレックスに煽られたトランプの足掻きだと理解していたけど、先日のテレビ番組の池上彰さんによればオバマ以前から「白人至上主義者」によるアメリカ社会の分断を企図する動きは露呈していたとのこと。それだけホワイト・プア(経済的・知能的に劣る白人)の非白人に対するコンプレックス(劣等感)が強まっていたということだろう。トランプは個人ではなく、アメリカの劣等白人たちを指すという広がりを忘れてはならないのだろう。

(続く)