【状況への失言】小林賢太郎問題(5)  「虐殺」するユダヤ人=イスラエル  硬直化する朝日新聞とその識者たち

 録画してあるけど、おススメした放送大学の「パレスチナの文学」を聴きながらメールのチェックをしていたヨ。講師の岡真理さんが最後の方でニーチェの言葉、《怪物と闘う時は心せよ、自らが怪物にならないように。》を引きつつ、「虐殺」された歴史を強いられてきたユダヤ人=イスラエルが「怪物」と化してパレスチナ人を「虐殺」している現実を批判していたネ。大学の講義だから露骨な批判ではないけれど、例えばガザ地区を51日間空爆し続けたイスラエルパレスチナ人に対する「ジェノサイド」(岡さんの言葉)=民族的大虐殺の非道さを批判しているのは明らかだった。これまでボクが小林賢太郎を擁護しつつユダヤ人=イスラエルを批判してきたことと重なるからといって、岡さんの言葉をゆがめてはいないことは、放送大学のテキストを読んでくれればハッキリするはずだ。

 今は「世界文学への招待」の第8回で、宮下士朗さんと小野正嗣さんがパリに住んでいた世界級の文学者の跡をたどっているところだけど、ベンヤミンも取り上げて遺著「パサージュ論」を紹介している。遺稿は国立図書館で司書をしていたバタイユに託されたということは忘れていたので驚いたけど、宮下さんが手に取っていた「パサージュ論」の翻訳者の1人が三島憲一だ。

 その三島が先日触れた朝日新聞の識者の1人で、やはりボケ老人・森善朗や安倍晋三におもねってマリオに扮しさせた佐々木宏、そして障害者に人糞を食わせたことを反省できなかった小山田圭吾の3人とケンタローを区分することができていない。虐殺されたユダヤ人の立場に立ち続けることで、ユダヤ人がパレスチナ人を虐殺していることが見えなくなってしまい、《被害にあった方々の視点に立つ「視点の転換」という知的努力が根本的に欠如している。》などと己れを忘れた発言をしているのは呆れるばかり。パレスチナ人の立場に立つという「視点の転換」ができないからこそ、いつまでもユダヤ人を黄門の印籠のように振り回して自閉しているのだ。

 三島が翻訳者の1人だったユダヤ人・ベンヤミンは、亡命を意図しながらも果たせぬままパリで自殺してしまったわけだけれど、現在のユダヤ人の少なからぬ識者たちはイスラエル(特にネタニエフ)のパレスチナ人虐殺に真っ向から反対していることを忘れてはなるまい。三島憲一をはじめとする朝日新聞の識者たちは、ジェノサイドの対象となり続けたユダヤ人の立場を免罪符として、パレスチナ人をジェノサイドしようとしているユダヤ人=イスラエルを擁護していることになっているのが自覚できていない。朝日新聞自体を含めて、もう1人の識者・佐藤卓巳はじめとする4人は脳が硬直化してしまい、反・反ユダヤ人がイデオロギーにまで化してしまっているわけだ。こんな連中から非難されようが、ケンタローは落ち込むことなどない!