【見る】プリセツカヤ(バレリーナ)のスゴさ!  「映像の世紀 バタフライ・エフェクト」  ジェノサイドの歴史

 たった今(17日夜)BSプレミアムの「プロファイラー」で20世紀を代表するプリ・マドンナであるロシア人・プリセツカヤを見ながらブログを更新している。晩年の代表作「瀕死の白鳥」(曲はサン・サーンスの有名な「白鳥」)が放映されてMCの岡田准一はじめ、ゲストの草刈民代(元バレリーナ)や村上佳菜子なども驚いていたネ。この曲は先日のウクライナ・バレエ団の長老たるバレリーナも、日本公演に選んでいたネ。プリセツカヤの脚などが太目なのも気になり男性ダンサーが持ち上げるのが大変だと心配したけど(今どきのバレリーナは細くなっているので色気が無いネ)、他の有名ダンサーのように亡命せずにソ連に残り続けて闘い続けた豪胆さには頭が下がるネ。亡命しなかった(できなかった)理由の1つに7歳年下の作曲家・シチェドリンと結婚ていたことを上げていたのは初耳だったネ。偶然ながらつい先刻、シチェドリンのピアノ協奏曲の録画を聴いていたばかりだけど、シチェドリンは新しい傾向ながらも親しみやすい曲作りをするので、ボクでも少なからぬ録音・録画をしているのでネ。

 (プリセツカヤは前振りだったのに長くなってしまったヨ。)

 

 本題はその前に見ていた「映像の世紀」(月曜地デジ夜11時~)のジェノサイド特集にとても感動・立腹したことなのだネ。昔の「映像の世紀」は紙芝居としての存在意義に徹していたけど、最近の「バタフライ・エフェクト」のシリーズは多元的に歴史的事件を追求しているので、とっても刺激的があり勉強になる(今の高校の歴史では日本史と世界史に分離することなく、「歴史総合」というグローバル・ヒストリーを教えるようになっているので、この番組は最適!)。

 ポーランド人がアウシュビッツユダヤ人虐殺の模様をルーズベルトに伝えたものの、まるで相手にされなかったというのも初耳だったけど、アメリカのユダヤ人高官も同様の対応をしたというのも驚くばかり。その事情説明はなかったので心残りだったけれど、むやみとイギリス支援のためにドイツとの戦争を開始したがったルーズベルトが、ユダヤ人を平然と見捨てたのは彼のウサン臭さを強めるだけだったネ。

 もう1つの初耳は、ヒットラードイツ国内のユダヤ人を国外に追放しようとして反戦国のフランス植民地・マダガスカルに送ったものの、やがてイギリス艦隊に阻まれて諦めざるをえなかったということ。ヒットラーはその後オーストリアポーランド等々を侵略・併合するたびにその国のユダヤ人を抱え込むので追放するだけでは間に合わず、ヒムラーに銘じて抹殺(ジェノサイド)させることになったという。住民を勝手に移動させるというのはソ連・ロシアが歴史的にくり返してきたことながら、侵略した土地のウクライナ人をロシアに運び出した(シベリアという説も聞いた)ことが想起されるネ。番組ではプーチンによるブッチャの大量虐殺も映し出していたけどネ。

 「バタフライ・エフェクト」シリーズの貴重で面白いところは、世界でくり返されるジェノサイドの歴史を映像で確認しながらアメリカの広島・長崎への原爆投機もその1つに数えている点だネ。広島で治療に当たっていた医師の発言が、当時展開されていた東京裁判を視野においた重いもので心に残った。

 《戦争責任を追及する裁判なら、原爆を落とした連中をすべて死刑にすべきだろう!》

 その通り! まさに日本史と世界史とを切り離すことのない、大事な視点だネ。