【状況への失言】殺人鬼・プーチンのウクライナ侵略(15) カチンの森の虐殺  イギリスの腐った一面  ブレイディみかこの証言  モーリー・ロバートソン

 先日ポーランドチェコスロベニア3国の首脳が、攻撃されている最中のキエフを訪問したという報道には驚いたヨ。それだけまだ電車を中心に交通網が安全なのだ(とはいえ退避中の車がロシア兵に狙撃される事実もあるけれど)と思えて安心できた面もある。ポーランド代表の名前がカチンスキ副首相と聞いて、またプーチンスターリンが結びついたネ。第二次世界大戦中にカチンの森で、ポーランド将兵22000人の虐殺死体が埋められていたのが発見されたのだけど、ソ連はナチの仕業だと主張したものの説明を逃れていたのだネ。ゴルバチョフ大統領になってから、グラスノスチ報道の自由)に基づいてスターリンの犯罪であることを暴いてやっと真相が判明したのだネ。プーチンが半世紀ぶりにスターリン復権して自身をその後継者のように位置づけ、他国の民主主義化を戦車で弾圧したり(ハンガリーチェコ)粛清とジェノサイドをくり返したスターリンを受け継いでいるのが現況ということだ。まさに半世紀前の時代に先祖がえりした大量虐殺戦争がまたなされるとはネ!

 

 朝日新聞の「季評」という連載の3月10は「欧州季評」という題名で、ブレイディみかこという人が「戦車走るまで動かぬ英国」と表題でたくさんの新しいイギリス事情を教えてくれた。この人の定期的な(?)記事はいつも有益なことが書かれているので楽しみだ。以前は国内外の学歴だけを話題にして出てきたモーリー・ロバートソンというデカ能無しの夫人かと勘違いをしていて、どうして聡明なみかこさんがあんな無能な男と結婚したのだろ? と思っていたけれど、夫婦じゃなかったので納得したネ。モーリーはたくさんの大学に籍を置いたことだけを自慢にしていたけど、問題は大学で何を得てその後に成果として生み出すかということだから、無芸大食のモーリーは無駄に大学にいただけということになる。モーリーの発言は古市憲寿並みの、専門性を欠いた薄っぺらな内容に止まっているからネ。

 ボクの幼い記憶だと、イギリスとロシア(当時はソ連)との間ではスパイ合戦をやっていて(数年前にもイギリスに寝返った元ロシアのスパイ父子が、ロンドンでプーチンの手下に命をねらわれたことがあったのは周知のとおり)、半世紀ほど前にイギリス外相がソ連の女スパイのハニー・トラップに引っ掛かって機密情報を流したという事件があった。事件のその後は知らないけど、実際にスパイが活動したり・ハニー・トラップが現実に行われていることを知って驚いたのは覚えている。

 ブレイディが紹介した資料によれば、親プーチンとのつながりのあるロシア人の英国内の資産は約15億ポンド(1ポンドは1000円以上?)で、2014年時点でのロンドン在住のロシア人は15万人にも上るという! そのためロンドンは「テムズ川のほとりのモスクワ」と呼ばれてきたそうだ(笑える)。英国企業や英国債に投資すると永住権にもつながる特別恵まれたビザが与えられてきたけれど、ウクライナとロシアが緊張関係が強まったらやっと廃止されたそうだ。

 2000年には与党の保守党に170万ポンド献金したロシア人女性の夫が、プーチン財務大臣を務めたヤツだと判ってスキャンダルになったという。その他記事ではロシア・マネーがいかにイギリス政界を支配しているかが明かされているけど、批判すると大きなダメージを与えられるので無力感に囚われていたそうだ。しかしアメリカやフランス・ドイツがウクライナ支援に向かうと、いきなりジョンソン首相もロシアへの経済的圧力を唱えるようになったという。実は2018年には既に下院外交委員会が、ロシアの領土的野心に歯止めをかけるためにロシアの闇資金に歯止めをかけるように訴え、今年1月にも下院外交委員長が同様の指摘をしたという。

 ブレイディいわく、イギリスでは「戦車走り出すと急に物事が動く。だがそれは、裏を返せば戦車が走るまで何もしなかったことの証左でもあるのだ。」

プーチンには侵略以前から北方4島を返す気など毛頭ない、ということは次回に。)