【聴く・見る】放送大学「世界文学」  古井由吉(現代日本文学の最高峰=ハルキなど比較にならない)

 ナイターを見ながら寝入ってしまった。巨人戦とオリックス戦を並行して見ていたのだけど、阪神や日ハムの野球じゃないので集中できなかったのだネ。それにしても昨夜の阪神対広島戦はスゴかったヨ、連日のシーソー・ゲームでまた逆転されるかと覚悟したけど、何とか引き分けで終ったヨ。こういう試合に比べると、今日の巨人は菅野がヒドすぎて(もう限界か?)ヤクルトがやり放題でツマラナかったナ。解説者の江本も言っていたけど、往年の菅野のスピードがガタ落ちで打ちこまれても当然だったネ。

 目覚めたら9時10分ほど前で焦ったネ、8時15分から放送大学の「世界文学」を見るつもりだったから。嬉しかったのは古井由吉を取りあげていたからで、阿部公彦さんが代表作「菫(木偏がついてアサガオと読む)」の解説をしているところだった。島田雅彦に意見を求めているところだったけど、この作品をどこまで分析・読解できているかジックリ聴き直したいネ。「あさがお」は立教大学院で取り上げたことがあり、ツワモノの1人がレポーターとなって発表当日にはぼう大なコピー資料を持参してきたものの、やっぱり読解できていなかったネ。それにしても「世界文学」の講義前5回の中に古井由吉が入っているところは、このシリーズを企画した阿部さんや野崎歓さんのセンスの良さが現れているネ。

 続いて晩年の作品などへ移っていったので、番組全体を見れば古井の全体像が見えてくるのではないかな。来週木曜12時からの再放送が楽しみだ、皆さんも見るなり録画することをおススメします! 古井由吉は広く読まれているわけではないけれど(特に日本限定でしか読まれてないようだけど)、その軽さで広く読まれているハルキと比べるとハッキリするように、その文学的価値は比較にならないくらい優れている。芥川賞をとった「杳子」は比較的読者が多いようだけど、「杳子」前後にも素晴らしい作品が目白押し状態で特定の作品名を上げにくい(ただし「櫛の火」だけはダメだと思う)。

 

 全集をゲットしたので以前単行本10冊くらい(?)をツクホーシ夫妻に上げてまずは「人形」を勧めたけど、ショックが強すぎてジンちゃんは古井を敬遠するようになってしまったようだ。ツクホーシ自身はショックを受けながらも文学的味わいは伝わったようだから、「あさがお」その他にも挑戦してもらいたいものだ。もちろん皆さんもネ! ハルキのように読みやすい、ということはないけどネ。

 古井というと、学大赴任した時の昭和ゼミ長だった土屋佳彦クン(現静岡県立高校教頭)が卒論・修論で取り上げた作家だけど、その他はほとんどいない記憶だネ。ボクが関わった他の大学院でも同様だし、学会でも誰でも何か言えるハルキ論は掃いて捨てるほど書かれるけど、「杳子」論以外には古井由吉の作品論は発表でも論文でも見かけないネ。易きにつくということなンだろネ。

 何だかスゴク古井作品を読みたくなってしまったヨ。