【聴く】マイスキー(チェリスト)  ロシア音楽(家)を拒絶するのは「愚か」

 先日の朝日新聞の文化欄に、来日中のトップクラスのチェリストであるミッシャ・マイスキーの記事が載っていた。コロナ禍のせいか、3年ぶりの日本単独公演だそうだ。ソ連時代に迫害されたとは聞いていたけど、家族が亡命したために強制収容所に入れられて(初耳)2年間音楽から遠ざけられたとのこと。両親がウクライナ人だというのも初耳だったけど、

 《戦争に関係のないロシアの音楽家の登用をやめたり、楽曲を演奏しなかったしするのは愚かなこと。》というのは核心を突いた言葉だネ。以前のブログにも書いたとおり、世界のトップレベルの指揮者・ゲルギエフや彼が育てた21世紀の代表的なソプラノ歌手・ネトレプコたちが、それぞれ強い関係を持っていたオケやオペラ座から縁を切られたというニュースは驚きだった。ロシア国家から支援を受け続けていたゲルギエフプーチン支持を貫いたためにオケから罷免されたというのは分からないではないけれど、曲作りをしていく指揮者とオケの双方が不信感を抱き続けたのではイイ演奏は無理だよネ。ネトレプコは師匠のゲルギエフの立場に従っただけなのかな?

 来日中のウクライナ・バレエ団がチャイコフスキーの「白鳥の湖」を演目からはずしたのは間違いだ、とも書いたけどマイスキーも同意見だったので安心したネ。ただ以前はマイスキーがロシアの弾圧されていたというだけで支持したつもりだったけど、演奏そのものは(学大卒でチェロを弾く山﨑さんと同じく)ヨー・ヨー・マの音の魅力の方が圧倒的なのでマイスキーの演奏には魅力を感じなくなっているヨ。

 音楽は何よりも「音」を「楽」しめることが優先されるはずだからネ。専門(家)とはそういうことだよネ。