【状況への失言】安倍晋三は死すべき理由があった(2)  《因果応報》

 安倍晋三が殺された日はどのテレビ局も安倍特集一色で、まるでヒロヒトが亡くなった時のテレビのようで気持悪かったもンだ(深夜になって通常の番組に戻った局もあったけど)。それも日本好みの同調圧力のせいなのかな? それにしてもどの局のコメンテーターも口をそろえて安倍政治を絶賛しているようで、それも一段と気持悪かったヨ。死んだ者を悪くは言えないというのも、日本人的なのかな? さすがに日曜のTBS「サンデー・モーニング」では、たとえば対ロ外交はプーチンに振り回されただけで何も残さず失敗だった、と完全に賛同できる意見も出ていたけどネ。対米外交もカネのことしか念頭に無いトランプに高い買い物(武器)をさせられながらも、ヨーロッパではバカにされていたトランプの男メカケのように尽くしたけど、岸信介以来の対米追随という悪の血縁のなせるワザだったのかな? (そこまで言う人はさすがにいなかったけど)。

 アベノミックスが自慢のタネだったようだけど、株価が上がっところで株を買うカネのないほとんどの庶民の生活がうるおった感じなど皆無だったよネ。安倍晋三岸信介伝来の政治的な分断をもたらしただけでなく、経済的な分断を持ち込んで貧富の差を広げたのも悪行の1つだよネ。もっとも安倍晋三は経済の方はまったくの無知だったから、経済的格差を作るのが好きな専門家に任せた結果なのだろうけどサ。それにしても政治面では、戦犯の汚名を背負った岸信介の汚辱を晴らすべく血縁後代としてムチャを通し続けたのは周知のとおり。戦争協力者としての「血」を受け継ぐべく、自衛隊を合法化しようと憲法を変えようとしたり、それができないと憲法解釈を変更して集団的自衛の道を切り開いたり、戦争による「血」に飢えていたのはまさに岸信介の生れ変りだったネ。

 

 前回にも書いたけど、岸信介を刷り込んだのは安倍一族なのだろうけど、それを無批判に受け継いでしまったのも聡明さに欠けた安倍晋三の限界だったネ。祖先を相対化する視野を持てないまま、祖先のやりたい放題だけを受け継いでしまった安倍晋三が、「もりかけさくらくろかわい」という罪悪を重ね続けてしまったのも已むをえなかったのだろネ。頭が悪かったお蔭で、それを自覚できなかったままクタバッたというのがせめてもの救いだったかもネ。これだけの悪事を自覚すると、後半生はタイヘンな苦しみを背負うことになるだろうからネ。

 今日の昼のニュース番組で、犯人の母親が過剰な寄付金をしたために家庭崩壊を招いたという宗教団体の代表が現れた。どこにでもいるような詐欺師の顔だったけど、信じ込ませてカネをむしり取っただろうものの、死に値するようなことを仕出かしたとも思えない。その点では己のために公文書を書き換えさせて官僚を自死に追いこんだ安倍晋三は、(麻生太郎ともども)死に値すると言える。犯人がいかなる思い込みに基づいてテロ行為に奔(はし)ったかはどうでもイイ、死ぬに値する者が死ぬのなら交通事故でもかまわないということだ。

 9・11事件の時にも記したけど、近来最大のテロとはいえベトナムをはじめ世界で一方的な戦争犯罪をくり返したアメリカが、歴史上初めて己の側がテロに遭うというのもアメリカ人のためには(己の罪を自覚するためには)良い体験だったということだ。安倍にとってもアメリカにとっても、結果オーライということ。ファミリーから「因果応報」という言葉が寄せられたけど、まさにピッタリはまった言葉だネ。

 

 テロの時代とも言うべき昭和に入ってからは、5・15事件や2・26事件という軍部による殺戮が表わすとおり、ほとんどが右翼側によるものが圧倒的に多い。誰でも知る小林多喜二等を拷問死させた、警察権力によるテロという場合もあった。60年安保の頃の浅沼社会党委員長を刺殺した右翼少年(山口オトヤという名だったと思う)のテロも記憶に残っている。忘れることができないのは、未だに逃げ回っている卑劣きわまる赤報隊によるテロだ。朝日新聞の記者だという理由だけで数人を銃撃した右翼の名が「赤報隊」だ。比較的最近でも広島市長や長崎市長に対する殺傷テロも、当然右翼側のものだ。

 こうして並べてみると、今回のような右翼側とも思えないテロはむしろ珍しいということだ。ほぼ低能児の集まりである右翼が今回の事件を勘違いして、「その気」になってテロ活動を始めなければイイがなと心配してるヨ。アイツ等は麻生太郎や三原じゅんこ並みのバカだからネ。

【見る】エドガー・アラン・ポーの再放送、今夜だヨ

 先日情報を流した「ダークサイド・ミステリー」のポー特集の再放送が今夜あるヨ(BSプレミアム、夜11時~)。初回ボクは忘れていて「クラシックTV」を見ていたので、後半しか見ることができなかったから今夜こそ全部見るヨ。初回の後半では分身の問題をテーマにした「ウィリアム・ウィルソン」を取りあげたいたけれど、作家の桜庭一樹も心理学者もあまり面白いこと言ってなかったナ。でも作品は絶対面白いから、未読の人は読んでおくべきだヨ。

【状況への失言】極悪人・安倍晋三死すべし!→死ぬなら、謝罪してからだろ  追悼一辺倒の日本人の気持悪さ  民主主義の破壊者も死ねば許されるのか?

 イギリスのジョンソン首相の退陣は笑えたけど、イギリスがウクライナ支援を弱めることになったら、と案じると喜べなかったネ。安倍晋三が銃撃されたと聞き、正直「天罰」だと喜びつつもどうせ「憎まれっ子、世に幅かる」のだろうと諦めていたヨ。それが巨人戦ナイターが長引いている中に安倍がクタバッたと知り、まさかの展開に気持が晴々したネ。当初は「安倍晋三、死すべし!」と期待していたのが、「死ぬならその前に謝罪してからだろ!」という無念さもあった。何よりも財務官僚を(麻生太郎と共に)自死に追いこんだ責任が不問のまま逃げ回っていたからだ。

 財務官僚殺しだけではない、「もりかけさくらくろかわい」という汚職の連鎖も含めて「安倍晋三は死に値するか?」を問うことなく、テロリズム反対とヒステリックに叫ぶだけでは何の解決にもならない。残念ながら(?)犯人の動機には政治的主張はなく、母親が安倍晋三の組織する団体(さくらの会みたいなものか)への過度の献金を止めさせるための凶行だと証言していると聞いた。しかし犯人の動機はこのさい関係ない、財務官僚殺しをはじめとする安倍晋三の罪悪が死に値するなら、犯人の銃弾によらずとも安倍は死をもって罪を贖(あがな)うべきところだったのだから。

 

 というわけだから明確な論理抜きに「テロリズム反対」を叫ぶ連中はまったく信用できない、「テロ(暴力)反対」だけなら当たり前すぎてバカでも言えるからだ。そもそも安倍晋三の度重なる汚職の連鎖こそ、国民・国家に対するテロではないか! 国家(国会)の記録を自らの罪悪を隠すために書き換えさせるという(その結果、官僚を自死させる)前代未聞の悪行は、国家的テロリズムというほかない。

 人の命の重さなどいっさい感じられない、やりたい放題のワガママ人間に育て上げてしまった家庭教育(「育ちの悪さ」は麻生太郎と同じ)と、第1級の戦犯にして戦後民主主義の最初の破壊者として記憶される岸信介との悪の血縁を刷り込まれた安倍晋三ならばこそ、次々と汚職をくり返したわけだ。病気を理由に首相の座を去ったと思いきや、自民党最大派閥のトップの座に納まって政権に揺さぶりをかけるなど(ウクライナ危機のドサクサに紛れて日本の核武装まで主張したのがその最たる動き)、死ぬまで日本を戦争への駆りたてようとした安倍晋三が、凶弾に倒れたというのは結果オーライとするべきではなかろうか。

 

 それにしてもテレビも新聞も、安倍の悪行について完全に忘れ去ったようにスルーしてひたすら追悼に集中しているのはどうしたことか! 日頃から日本人の同調する強さには呆れるばかりながら、これほどスルー一辺倒とは信じがたいネ! 日本人の責任感の弱さの現れだとすれば残念だネ。「昨日の敵は、今日の友」という得意の掌(てのひら)返しなのかな、好かんネ。「昨日の敵は、今日も敵」というイチロー語録の名言を胸の奥にたたき込んで欲しいものだヨ。

 (止めどがないので、いったん切るネ。)

【見る】エドガー・アラン・ポー  「ダークサイド・ミステリー」

 あまり見ない番組だけど、NHKBS1木曜9時からの「ダークサイド・ミステリー」が明日7日にはポーを取りあげるというので、おススメしながら見ようと思っている。ポーの文学世界を分かりやすく解説してくれると思うヨ。

【状況への失言】辻政信=「絶対悪」(=プーチン)  ノモンハン事件  インパール作戦

横光の小説(「微笑」)のけがれのない微笑をもつ青年は発狂死した。まともな日常のおのれに帰れば、殺人兵器を完成させようとしていたことは神経的に耐えられない。精神を平衡に保とうにも保たれない。ふつうの人間とは、おそらくそういうものであろう。戦後の辻参謀は狂いもしなければ死にもしなかった。いや、戦犯からのがれるための逃亡生活が終ると、『潜行三千里』ほかのベストセラーをつぎつぎとものし、立候補して国家の選良となっていた。議員会館の一室ではじめて対面したとき、およそ現実の人の世には存在することはないとずっと考えていた「絶対悪」が、背広姿でふわふわとしたソファに坐っているのを眼前に見るの想いを抱いたものであった。

 

 半藤一利ノモンハンの夏」(文春文庫)の後書きというのを、検索してコピペしたもの。朝日新の連載記事である原武史さんの「歴史のダイヤグラム」の7月2日に、ずっと気になっていた辻政信という名前が出てきたのがきっかけだった。戦争というと様々な極悪人の名前が想起されてくるけど、国内でいうと辻政信がその代表例。以前テレビでノモンハン事件の特集を見ていたら、この愚か極まりない作戦を作ってたくさんの将兵たちを無駄死にさせた参謀として、辻政信の名前が忘れられなくなってしまった。

 日本のものよりレベルがはるかに高性能なソ連の戦車が日本軍陣地を圧倒しているというのに、陣を指揮していた部隊長に退却を許さず、兵たちの命を守るために退却させた責任を部隊長にとらせた(自死を命じた)残虐な無責任男として辻政信が記憶されたのだ。戦争中は戦車隊に属していた司馬遼太郎が、戦車の鉄板の厚さではソ連製が日本製の数倍あり、日本の戦車など簡単に砲弾で貫通されるとテレビで証言していたのを見たことがある。

 ノモンハンが典型ながら、日本の軍隊は明治期の軍隊のリアリズムを完全に忘れ去り(乃木希典の203高地攻めは例外?)、非合理な作戦を連発してぼう大な将兵を無駄に死なせた、とは司馬がくり返していたものだ。ノモンハン事件について書きたいともくり返していた司馬は、その思いを果たさぬまま逝去してしまったものの、その遺志を継いだのが半藤一利で「ノモンハンの夏」を書いたのだろう。

 将兵たちの無駄な大量死というと、「白骨街道」の名が付せられているインパール作戦も有名だろうけど、ノモンハン同様にリアリズムを欠落した机上の空論を押し通して必然的な敗北を喫したわけだ。そもそもがアメリカ相手に戦争を始めてしまったこと自体が、明らかに敗北を結果する愚行であることは分かっていたはずなのにネ。

 

 「歴史のダイヤグラム」に戻ると、鉄道ファンの原武史辻政信の鉄道による逃避行を後付けようとしたもの。ビルマ戦線で辻を覚えていた男に声をかけられて危険を知り、逃げ隠れした《卑怯者》は結局ラオスで消息を絶ったそうだ。その辺の事情には興味がないものの、半藤さんが辻を「絶対悪」と決め付けた気持はよく分かる気がする。ヒットラーにしろスターリンにしろ、そして今やプーチンこそ「絶対悪」の名にふさわしい!

【聴く】ジャニス・ジョップリン  ミス・ディオールのCM曲「クライ・ベイビー」  グリム・スパンキー

 テレビ番組のテーマ・ソングやCMの背後に流れる曲を聞いていて、時々ギクッとすることがある。学生時代によく聴いた曲が聞こえてくる時だ。むかし明石屋さんまのMCで若い女性たちにエッチな話を中心に語らせる番組があったけど(日本テレビ)、その番組のテーマ・ソングのように毎回ケイト・ブッシュの曲(声)が流されるので苦笑と驚きが半ばしたものだ。さんまがケイトを聴いていたとも覚えないので、ディレクターあたりの趣味だったンだろネ。

 最近驚いているのは、ミス・ディオールのCMソングがジャニス・ジョップリンの「クライ・ベイビー」だネ。ミス・ディオールという衣服がパンチの効いたものなのかどうかは知らないけど、ジョップリンは歴代トップの女性ロッカーと言えるだろう(その後の女性ロッカーについてはまったくの無知だけど)。死の直前の録音だと思うけど、そのアルバムをステレオの大音量で聴いて欲しいネ、CMじゃ分からないパンチの強烈さが伝わるだろうから。

 (前にも記したことながら)日本の女性歌手でジャニスを歌えるのはいないと思っていたけど、グリム・スパンキーのヴォーカルの女子が違和感なく歌いこなしていたのでビックリしたことがある。5~6曲はグリム・スパンキーを録画してあると思うけど、いずれアルバムをジックリ聴きたいもンだネ。スゴイ歌手だ!

 

 今「大下容子ワイド!」を見ているところだけど、CMの間「昼めし旅」(テレ東)を見ていたら房総御宿(おんじゅく)の野菜てんぷらに対してつぶやきシローのナレーションのコメントがあり、背後にまさかのボブ・ディランの曲が流れていたので噴飯ものだネ! ディランが聞いたらきっと怒るヨ。ボク等は笑うしかないけど。

【読む】見田宗介(真木悠介)  外岡秀俊

 朝日新聞(夕刊)は月に1度(?)「惜別」という欄に逝去した3人を紹介をしている。先般は著名な見田宗介真木悠介)の逝去が載せられていたけど、見田については以前記したのでここではくり返さない。

 7月2日の「惜別」欄に外岡秀俊という名前があったので、保守派の政治学者かと思ったら何と小説「北帰行」の作者だったのでビックリだネ。ボク等がまだ学生時代だったと思うけど、学生ながらも「文芸賞」を受賞して話題をまいた人だ(読んでないけど)。その後の彼がどうなったのかについては全く情報がなかったものの、今度の記事でハッキリ分かった。外岡は作家の道を選ばずに朝日新聞の記者になったンだネ。

 《当事者に耳を傾け、記録する。自分が伝えなければ世に出ない声を伝える。本人が2大ライフワークと語っていた沖縄問題でも震災報道でも、姿勢は一貫していた。》

 後輩記者の証言だけど、外岡秀俊はエライ人だったンだネ。「天声人語」の執筆を打診されたものの固辞し続けたそうだヨ。「天声人語」って高校生までは読んでいたけど、その後は完全にスルーしたままだから共感できる選択だネ。

 断った理由は《私はじっくり取材してルポが書きたいのです》というのもエライ!

定年前に退社してフリーの記者となり昨年暮れに(記事としては遅いネ)心不全で68歳で亡くなったとのこと。