山尾問題・補遺

メル友の大先輩から「山尾氏の不倫は何が悪いのか?」という根本的な問題提起があったので、先日記したことをくり返してお応えした返信。


《さすがに○○さんは開けたお考えの持ち主で頼もしいですネ。
国民性による下卑た週刊誌的興味が、公私混同に奔るので情けないです。
本来なら仕事と恋愛(不倫)は両立し得るはずなのに、週刊誌が暴きたてるので余計な犠牲者が出てきてしまいます。
今回の最大の犠牲者は山尾さんの子供でしょう(旦那はその前に気付いて傷ついていたでしょうが)。
週刊誌が暴かなければ(少なくとも)表面的には平和な家族生活が続いたはずでだったのに、この件でイジメにも遭うでしょうから可哀想です。
昔フランスでミッテラン大統領の隠し子がバレた時、(定例の?)記者会見の席で文脈と無関係に私生児について問われましたが、大統領の「関係無い」の一言で済んだのをテレビで見たことがあります。
公私混同した誤りを一言で指摘・批判された記者が、それ以上突っ込まなかったフランスのオシャレな良識に感心したものでした。
個人の自立(自律)性が薄弱なせいか、私的なレベルの問題(罪意識)をそのまま公的なレベル(社会的道徳)にスライドしてしまう日本ではありえない風景です。
週刊誌自体が悪い(遅れている)というより、彼らが掻き集めてくるネタを歓迎して喜んでしまう国民性が問題なのでしょう。
それを知りながらも脇が甘い(股が甘い?)山尾氏は、選択を誤ったということでしょう。
幹事長という仕事(政治)を選んだなら、その時からキッパリ男と別れるべきでした。

明治の昔、黒岩涙香たちが出していた「萬朝報」には著名人の妾情報が掲載されていて、鷗外も(母親が見つけてきた)児玉せきというお妾さんの存在をすっぱ抜かれたことがありました。
鷗外に限らず、暴かれた人々がそのために失職などに追い込まれたという話は聞いてません。
男尊女卑の時代だったからでしょうか?
だとすれば週刊誌的興味は女性のものだということになりますが。》

@ 探偵小説家としての方が有名な涙香が出していた「萬朝報」(よろずちょうほう)は、よろず(万=いろんな事に)に重宝だ、というシャレです。
  ちなみに鷗外は住まいだった観潮楼の近くにオメカケを置いたそうだけれど、あまり通わなかったそうです。
  たまさんの写真は新潮社の文学アルバムに載ってます。